「もっと早く知りたかった」DVで妻を失った夫の涙。DV加害者を“治す”方法がある
欲望が渦巻く新宿歌舞伎町。トー横キッズにホス狂い、大久保公園のたちんぼ。危険と隣あわせの夜の世界で刹那的に生きている彼女たちは当然事件に巻き込まれることも多く、その度に世間からは「自業自得だ」と批判を浴びせられる対象となる。
彼女たちは一体どうしてそこにいて、どう生きているのか。元夜職、元看護師の肩書を持つエッセイストでライターのyuzuka(@yuzuka_tecpizza)が取材する(以下、yuzuka寄稿)。
どうして家庭内で暴力が起こるのか。それを防ぐ方法や対策はないのか。そんな疑問に答えてくれたのがNPO法人女性・人権支援センターステップ理事長である栗原加代美(くりはらかよみ)さんだ。彼女は全国でも珍しい、DV被害者・加害者の更生支援を15年以上にわたって行なっている。
自身も暴力のある家庭で育ったという栗原さん。どうして彼女は被害者支援だけではなく、加害者更生支援に力を入れているのか。前回のインタビューに引き続きお話を聞いた。
――どうして加害者側はDVによって相手を支配するようになってしまうのでしょう?
栗原:彼らのお父さんがそうしてきたからです。8~9割の加害者はそうです。
自分自身も殴られ、怒鳴られ、否定されて育ってきたケースや、夫婦喧嘩をずっと見てきた、つまりは面前DVを受けてきた方がほとんどです。暴力だけを見て育っていて、感情の表し方が分からないから、「もうしない」と何度も謝っても繰り返してしまいます。
――どのような経緯でステップに相談にこられる方が多いですか?
栗原:最初の電話は、DVを受けた妻から来ることが多いです。「夫を更生プログラムに通わせたいんですけど、どうしたらいいですか?」と、ご相談をいただきます。「DVなんて言葉を使ったら叩かれてしまう」と怯えてるんですよね。
それから、ある日突然、妻と子供に逃げられてしまったという加害者側からの相談も多いです。「前から妻に『あなたはDVだ』と言われていたんです」と、慌てて電話してくるんですね。あるいは「妻から、離婚か、ステップかと突きつけられた」というパターンも多いです。
女性理事長に聞くDV加害者の支援
「離婚か、ステップかと突きつけられた」
エッセイスト、脚本家、婚活メディア「ナレソメノート」では編集長を務める。元精神科看護師と夜職の経験あり。著書『埋まらないよ、そんな男じゃ。』他3冊。「五反田ほいっぷ学園」「愛の炎罪」等原作脚本
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