「お化けだ」「気持ち悪い」生まれつき“顔のアザ”に悩んだ男性が語る半生。精神疾患になる人も
人を外見で差別する「ルッキズム」という言葉を昨今、よく耳にする。生まれた時から、顔の半分に赤いアザがあり、自分のように顔に疾患・外傷のある人たちを「ユニークフェイス」と名付け、当事者活動をしてきたライターの石井政之氏(59歳・@ishiimsyk) に話を聞いた。
石井氏は、1965年に愛知県名古屋市に生まれ育った。生まれた時から、皮膚の表面から少し深いところ(真皮内)の細い血管が、過剰に増える、単純性血管腫(いわゆる赤アザ)があった。2023年6月には、アザのある自身の人生をつづった『顔面バカ一代:アザをもつジャーナリスト』を上梓した。
「おやじもおふくろも戦前に生まれた人ですが、アザを見てもあまり驚かなかったようです。おふくろは7人兄妹の長女です。いわゆる貧乏人の子だくさんの実家で、たくさん生んで死ぬ子も出るような家庭で育っているので、親族は子どもがたくさんいればそういう子も生まれるといった感じで深刻にはとらえなかった」
石井氏の両親は病院に受診させたものの、治らないと言われると名医を探すことはせず納得したという。
そんな石井氏がアザを気にするようになったのは、保育園以降、集団生活を送るようになってからだ。石井少年は大人しくていつも本を読んでいて1人遊びをしていることが多かった。
一方で、小・中学校ではアザのことで冷やかされたりからかわれたりといじめに遭ったという。
「『その顔なんなんだ』『お化けだ』『気持ち悪い』と言われたり、私の顔を見たときにどうしていいか分からず立ち尽くす子が多かったです。その当時は、自分自身も病名を知らなかったので、何を言われても説明できませんでした」
生まれたときからアザのある人生
「お化けだ」「気持ち悪い」といじめられた
立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1
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