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株の総利益100億円投資家・テスタが目指す「投資の理想形」とは。今、「オルカン」を2億円購入したワケ

 元『週刊SPA!』編集部で、投資好きの「編集Y」です。みなさん、株式投資家の「テスタ」さんという方をご存じでしょうか。  テレビや雑誌などにもたくさん出ていて、「株の総利益100億円投資家」として知っている方も多いかもしれません。テスタさん自身もXやYouTubeをやっているので、SNSで見たことがある人も多いと思います。

「株の総利益100億円投資家」として知られる株式投資家のテスタさん

 テスタさんは2005年に元手300万円で株式投資を始め、専業トレーダーとして株式投資を仕事にしています。最初はデイトレードやスキャルピングでコツコツと利益を積み重ね、2015年頃からは配当狙いの日本株の長期投資や、米国株も購入しています。  株式投資を始めてから19年連続プラスのコツコツ安定型で、とにかくリスクを取らない投資スタイルが特徴で、2024年には株の総利益が100億円を突破したスーパートレーダーです。  先日、ある経済アナリストが神宮球場で始球式をしたというポストを見て、テスタさんが「マネースクエアさんからの依頼は断わらないぞと心に決めました」と引用リポストしていました。
 このXの投稿を見て、すぐテスタさんに「始球式しちゃいますか⁉」と連絡したところ、「始球式投げられますか!笑」と返信が…!!  ということで、11月某日、テスタさんと一緒に東京・六本木にあるマネースクエアさんのオフィスを訪れました! テスタさんの始球式は実現するのか!?

◆なぜ2億円の「オルカン」を今買ったのか?

編集Y:最近、オルカン(「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称)を2億円購入したことでも大きな話題となっていましたね!「超大型の新人デビューだ!」って!(笑)
テスタ:話題になっていたみたいですね(笑)。実はそれには、株式投資家の“残業時間”が影響しているんですよ。 編集Y:え、残業時間ですか!? テスタ:はい、11月5日から、東京証券取引所の株式取引時間が15時から15時30分に30分延長したんですね。1か月の営業日数が22日あるとすると、合計で11時間も“残業”が増えたようなものなんですよ。  僕ら株式投資家は朝9時から15時まで1日5時間が仕事ですから、11時間って2日以上に相当するんですね(11時30分~12時30分の1時間は昼休み)。だからこれって「土日が1回なくなる」と言われているのと同じようなものなんですよ! 編集Y:それはツラいですね…。 テスタ:実は2011年にも昼休みが30分短くなったので、僕が株式投資を始めてからでも2回も取引時間が長くなっているんです。この傾向は、今後も変わらないと思っています。  というのは、世界の主要な株式市場は日本よりも長くて、例えばニューヨークの取引時間は6時間半、ロンドンは8時間半、シンガポールは7時間。つまり東証はグローバルに肩を並べるためにも取引時間を延ばしたいんです。  今後、取引時間が6時間、7時間と延びていったら、ますますザラ場に張り付いてトレードする時間が増えていきますよね。 編集Y:今までと同じ集中力でできるかというと、難しそうですね……。 テスタ:それに、仕事の時間が増えると、それだけ自分のプライベートの時間が削られてしまう。1日は24時間しかないわけですから、自分の時間を増やすためには、ザラ場中にずっと見ているのを減らすしかないわけで。それで最近、オルカンを買ったんです。

◆テスタさんが目指す「投資の理想形」

テスタ:資金が少ないときには短期トレードでお金を増やし、そのお金を長期投資に振り分けて複利の力を借りていく。これが「投資の理想形」だと思っています。 「本当の自由」というのはやっぱりお金と時間の両方が必要で、「なるべく資産を減らさず、自由な時間は増やす」というのが、ここ数年の自分の中のテーマだったりします。  自由な時間を確保するためにも、超長期で持つことで普段見なくてもいいところに資産を移していっています。2016年ころから配当狙いの日本株や、長期の米国株を買っているのもそういう理由からです。 編集Y:なるほど、「自由な時間を確保する」というのが、テスタさんの中でも重要なテーマになっているんですね。ちなみに、投資信託では「米国株式(S&P500)」も人気ですが、「米国株式(S&P500)」ではなくオルカンで、しかも「除く日本」タイプを購入されたのはどういう理由からですか? テスタ:日本株は配当狙いを20億円くらい、その他に値上がり狙いで20億円くらい持っていて、米国株も4億円分持っているので、「オルカン(除く日本株)」を購入しました。  そうはいっても、オルカンも60%くらいは米国株なんですけどね。でも、自分のポートフォリオとして足りない部分を補ったわけで、次は金(ゴールド)か不動産か債券か。このあたりを持てば、けっこう分散できるんじゃないかなと考えています。 編集Y:金、不動産、債券ですか! 金は投資信託の積立ですか? テスタ:いや、現物の金を購入するんじゃないですかね。基本的にモノの価格は上がっていくとすれば、すごく長い目で見れば「今が一番安い」ということになるので、一気に買って持っておくつもりです。  ○○ショックみたいなのが起きたとき、日本株も米国株もオルカンもすべて暴落してしまうと思いますが、金はすべてが下がってもヘッジになると思うので、自分のポートフォリオを考えてまずは2億円、将来的には4億円くらいの金がいいかなと思っています。 編集Y:4億円! ちなみに純金1億円分は、今だと500mlのペットボトル1本分くらいの大きさらしいです。4億円分だと牛乳パック2本分ですね…! テスタさんは不動産にも興味があるんですね? テスタ:都内のタワーマンションを次々と買っている株式投資家の友達がいまして。その投資家さんが言うには「所有する嬉しさがある」とのことで、2年前に僕も都内のマンションを1億円くらいで買ったんですね。  ただ、何かの書類が届くまで3か月くらい買ったことすらすっかり忘れていて、「あ、自分には所有欲ってないんだ」と思ったので、それから国内の不動産は買っていません。でも、分散という意味では不動産も必要だなと考えています。 編集Y:不動産を買うとしたら、どのようなエリアを考えていますか? テスタ:基本的には東京一極集中に近いことが進むとは思うので、東京か大阪の都心に物件を持っておけば、そこまで下がるリスクはそんなに大きくないんじゃないかと思っています。  ただ、どこかの国が攻めてきたとか、近くの国で何かが起こる可能性はあるので、だからこそ分散しておいたほうがいいんじゃないかとは思うし、国内だけでなく海外の不動産まで広げればもっとリスクは減るので、資金的な余裕が生まれたらそこまで手を広げられたらいいなとは思いますね。 編集Y:テスタさんが不動産の所有も考えていたなんて、意外でした。海外不動産の具体的なエリアも考えているんですか? テスタ:やっぱりニューヨークとかロサンゼルスとかがいいんじゃないですか。あのようなエリアはずっと落ちない気がしますけどね。ただ、海外不動産ってわからないこともいいので、実際に買えるのはだいぶ先かもしれないですね。

◆ボックス相場の値動きを取りにいく「トラリピ」

マネースクエアのマスコットキャラクター「トラリピくん」を愛でるテスタさん

編集Y:「自由な時間を生み出す」という意味では、マネースクエアが提供している「トラリピ®」というサービスも近いものがあるかなと思っています。  簡単にトラリピ®について説明すると、FXの発注方法である「トラップ」「リピート」「イフダン」の3つを合わせた「トラップリピートイフダン®」からきていて、どのくらいの価格で上下するかレンジを予想し、レンジ内に何度も繰り返す(リピートする)新規と決済がセットの注文(イフダン)を複数並べて、一度に発注できるサービスなんですね。  目先の値動きを予想せず、一度の発注で繰り返し取引機会をねらえることが特徴です。 テスタ:ボックス相場を取りにいく、みたいな感じですね。 編集Y:そのとおりです。 テスタ:僕みたいなトレーダーは、ボックス相場がすごく苦手なんですよ。というのは、ボックスを上抜ける瞬間とか、下に抜ける瞬間を狙ったトレードをしているからです。ボックスの期間が長ければ長いほど抜けたときには大きな動きになりやすいので、そういうところを株では狙っていったりします。  逆に言うと、ボックス相場を抜けると見せかけてまたボックスに戻るとなったら、損切りを繰り返さないといけないので、僕は儲からないタイプですね。 「ボックスが続けば」という前提ですが、ボックス相場の中の細かい値動きをずっと見て売買することはできないので、それを自動売買でできるのだったらボックスで取ったほうがいいというのはわかる気がします。 編集Y:昼間働く会社員など、相場を常に見ていられないような人には向いていると感じますか? テスタ:そうですね。そのボックスを外れたときのロスカットまでちゃんと設定して自動でやってくれるなら、見なくても安心できるとは思うんですけど。ロスカット設定はどうなっているんですか? 編集Y:トラリピではボックス相場続きやすいオススメの通貨ペアとして、豪ドル/NZドル(AUD/NZD)、米ドル/カナダドル(USD/CAD)、ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)という3通貨ペアがあって。これらを発注するときにはオススメのトラリピ設定がされているパッケージがあるので、そこで損切り設定がされていますね。自分でトラリピを設定して発注する場合も、損切り設定をすることはもちろんできます。 テスタ:あと、FXトレード全般にいえることですが、金融政策の変更とか何かニュースで異常に値が飛んだりした場合、ちゃんと決済されるか。その流動性リスクも怖いですけどね。

◆起こりうる最悪の事態を想定した「リスク管理」が大事

編集Y:トラリピでは「成立カレンダー」というのがあって、「今日いくら損益が出ました」というのが日々わかるようになっていて。 テスタ:いいですね、このカレンダーは。主婦の方とかにもいいかもしれないですね。 編集Y:寝る前とか朝起きたときに見るのが楽しみで、利益確定されていたらすごく嬉しいんですよ。 テスタ:トラリピは理屈的にはボックス相場を狙っていって、ボックスから外れたら損切りなり、抜けた方向にポジションを取るっていうのをやれば、トータルでプラスにするのはそんな難しいことではないと思います。  ただ、“コツコツドカン”になりやすい構造をしているので、マイナスがドカン!とくる可能性があるという「覚悟」を持ってやる必要があると思います。  その“ドカン!”になったときにどれぐらいの損失を抱えるかということをちゃんと把握しておかないと、実際そうなったとき、最悪の場合、「騙された」くらいの気持ちになる人が出そうだから、そのあたりをしっかり周知させるのはけっこう大事かなと思いますね。 編集Y:本当にそのとおりですね。その“ドカン”を防ぐために、ボックス相場になりやすい通貨ペアを選んだり、ボックス相場から外れた場合の対処法を想定しておいたり、起こりうるリスクをちゃんとわかったうえで取引するのが大事ということですね。 テスタ:投資って本当にたくさんの商品があるじゃないですか。分散していけば、いつかは今までまったく触らなかった商品にもたどり着くわけで。トラリピでもなんでもそうですが、自分が持っているポートフォリオにおいて「リスクヘッジになる商品は何か」を自分で調べて、勉強していくことが大事だと思うんですね。  ありとあらゆる起こりうることを全部想定して、たとえ戦争とか○○ショックとかが起きても大丈夫なように、自分の資産の何%をこの商品に、何%をこの商品に、と分散する。  それは人によって金だったり、海外株だったり、不動産だったり、今回のトラリピだったりするかもしれないですが、まずは自分でいろんな商品を勉強して触れてみて、自分の生活スタイルとか自分の資金の性質とか、将来どうしたいのかを含めて、どの商品が自分にあっているのかを見つけるのがいいと思います。 ――テスタさんとマネースクエアの距離も近づき、いよいよ来シーズン、テスタさんの始球式が実現するかも!? テスタさんとマネースクエアの今後の展開に要注目だ! 【プロフィール】 テスタ 2005年に元手300万円で株式投資の世界に飛び込み、専業トレーダーに。最初はスキャルピングやデイトレードからスタートし、6年目で利益1億円を突破。その後も2021年8月に総利益50億円、2024年2月には同100億円を達成。投資を始めてから19年連続でプラス。 <取材・文・構成/日刊SPA!編集部 撮影/星 亘 提供/株式会社マネースクエア
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