気仙沼復興商店街で「復興」の現実を実感せよ!
日本をつなげ!プロジェクト
~電気自動車で全国の「元気!」を突撃レポート~
第2回:宮城県気仙沼市『南町紫市場』
日産リーフで、東京から気仙沼まで走ってきたレポート第2弾。『気仙沼復興商店街 南町紫市場』に到着してみたら、副理事の坂本正人さんが「ほお、これが電気自動車なのか」と興味津々で、ようやくがれきが片付いたばかりの気仙沼の町をひと回りの即席試乗会になってしまった。一充電当たりの航続距離は頼りない電気自動車だけど、物欲刺激度は満点の乗り物ってことか。
さて、東日本大震災からすでに1年半。全国各地の関心も次第に薄らいでいくなかで、はたして、津波の被災地はどういうことになっているのか。『南町紫市場』は津波被災地の現状がしっかりと体感できるスポットだ。第1回で紹介した『福よし』(https://nikkan-spa.jp/274847)があるのも気仙沼ですぐ近く。被災地はどうなってるんだろう? とか、被災地を旅して応援したい! てなことを思っている人は、ぜひ、この記事を頼りに気仙沼を訪ねてみてほしい。
『南町紫市場』は、津波で壊滅的な被害を受けた南町地区にあった商店街のみなさんが再起を期して始めたプロジェクト。割烹や居酒屋から喫茶店、コロッケ屋さんから美容院まで、以前から営んでいた業態のお店がプレハブの建物に入居している。同様の「復興市場」的な施設は被災したほかの町にもあるが、54店舗という規模は全被災地のなかでも最大級。休日などにはビルを取り壊した荒れ地を利用した駐車場に観光バスが横付けして、結構な賑わいをみせている。
南町にはすぐ近くの高台に紫神社があって、町の人たちのほとんどはそこに避難して命だけは助かった。避難所になった神社で話し合い、2011年の4月には「この町は捨てちゃダメだ。みんなで商売を再開しよう」(坂本さん)と、コロッケ屋さんと下着屋さんの青空市から始まったのが『南町紫市場』のスタートだ。その後、各方面と調整を進めつつボランティアの力も借りて、2011年の12月には今のプレハブ商店街のオープンにこぎ着けた。
プレハブだからといって侮れない。たとえば『割烹 世界』(TEL:0228-22-0291)の店内は、長年の伝統ある店ならではの風格さえ感じる立派な和風のしつらえだ。「仮設だからっていい加減な商売はできないし、お客さんにはゆったり楽しんでもらいたいからね」というご主人の言葉が、この商店街の人たちの思いを象徴している。
⇒【後編】へ続く「復興商店街が抱える難題とは?」
https://nikkan-spa.jp/294284
<文と写真/寄本好則(三軒茶屋ファクトリー)>
https://nikkan-spa.jp/294284
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