婚活女子が言う「フツーの男」は平均以上のスペック
―[そのフツーは「普通」なのか?]―
時折、耳にする「フツーの男性でいいのに、出会いがない」という女性の弁。普通の男を自認する身には、その「フツーの男性」像がクセモノなわけだが、彼女たちが言う「フツーの男」ってどういう男なのか? クリティカル・シンキングの視点で婚活を分析した『普通のダンナがなぜ見つからない?』の著者・西口敦氏に聞いた。
「彼女たちの言うフツーは、言ってみれば『平均以上』。『普通の年収』は自分の1.5~2倍、500万~600万円といった水準で、『普通の学歴』は大卒で偏差値55以上。『普通の身長』は『私がヒールを履いても少し高いくらい』だったりします。他にも『フツーでいい』条件はいくつもあり、問題はこれらをすべて満たさなくてはならないこと。仮にそれぞれの普通の確率を50%とすると、すべてを同時に満たす人は100人に1人もいませんよ」
一見、謙虚そうな“普通でいい”に見え隠れする女性の高望み。
「でも、彼女たちは思い上がってるわけではないんです。むしろ、何も考えていないだけ。自分がどんな男性と結婚したいのか具体的に考えるのが面倒で、『普通』という言葉にすべてを委ねている。『フツーの男性』と言われても、紹介のしようがありません。自覚がないから、具体的な行動には移せず、受け身のワナに陥り、出会いを逃すわけです」
西口氏が指摘するのは、「『普通』という言葉は思考停止ワードのひとつ」だということ。
「同質社会なら『普通』という言葉は共感を高める効果がありますが、今の時代、普通の前提をすり合わせないと議論は先に進まない。それは、婚活だけの話ではない」
ついつい便利に使ってしまう「フツー」という言葉。その普通の定義をちょっと考えてみようか。
【西口 敦氏】
経営戦略、経営者育成支援を専門とする経営コンサルタント。BCGやATカーニーなどを経て、結婚情報サービス「オーネット」で経営企画などの責任者を務めた経験を生かし、婚活ビジネスについての講演も行う
取材・文/加藤カジカ 田村竜馬 田山奈津子 志賀むつみ 古澤誠一郎 イラスト/こまつめ組
― そのフツーは「普通」なのか?【11】 ―
『普通のダンナがなぜ見つからない?』 結婚ビジネス最前線の元戦略コンサルタントが数字と現実を見据えて教える、目からウロコの婚活術 |
この特集の前回記事
ハッシュタグ