東証第1部上場企業のPER(株価収益率)から見える日本株急騰の可能性
―[日本株急騰の可能性]―
◆マネーな人々 今週の銭格言
【選者】政治経済学者 植草一秀氏
現在、東証第1部上場企業のPER(株価収益率)は15.4倍。株式益利回りは6.48%となり、10年国債先物利回りの1.3%を5.2%ポイントも上回っている。この数値が意味する日本株急騰の可能性とは?
◆割安感強まる日本株。欧州・米国・日本の財政問題クリアで突飛高もあり得る!
日経平均株価の低迷が続いている。米国の政府債務上限引き上げ問題がクリアされず、欧州ではギリシャなど政府債務危機が叫ばれている。米国債務上限問題がこじれれば、米国国債の格付けが引き下げられ、米ドルが急落する恐れがある。
日本国内では、震災復旧・復興対策の費用として、5年間で10兆円の復興増税のプランが提示され始めた。さらに15年頃には、消費税率が5%から10%に引き上げられるなどという恐ろしい話まで浮上している。
こうした米国、欧州の政府債務問題、日本の大増税は、すべて株式市場にとってのマイナス材料だ。
日本の株価推移を調べると、最近では、為替レートとの強い連動性が観察される。円高が進行すると株価が下落するという関係だ。
こうしたことから、株式市場では、停滞した空気が支配している。筆者はtli- 10年後半から、今年前半の株価下落を予測してきたから、日経平均株価の9000円割れも想定の範囲内だった。
しかし、現時点では日本の株式市場には、逆に大きなチャンスが近づいているとの判断を持ち始めている。株価は循環変動する。長期的に低迷だとしても、完全に横ばいで推移するわけではない。低迷のなかでも上昇波動と下落波動は繰り返し到来するのだ。
日本株に大きな投資チャンスが近づいていると判断する最大の理由は、日本株式の各種指標が、株価の割安感を示しているからである。
もっとも代表的な指標がPER(株価収益率)と呼ばれるものだ。
※【後編】につづく⇒https://nikkan-spa.jp/64936
【選者】政治経済学者 植草一秀氏
シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ㈱代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」(http://uekusak.cocolog-nifty.com/)も人気。著書に『日本の独立』(飛鳥新社刊)
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