更新日:2014年05月13日 09:20
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消費税10%になったら、漁業・農業は廃業者続出!?

4月1日から消費税が8%に上がった。各企業が一斉に値上げを行うなか、価格を上げたくても上げられない人々が存在する。ここで値上げしないとコストが増大して経営が危うくなるが、値上げすれば消費者や取引先は離れてしまう……。まさに「進むも地獄、戻るも地獄」に追い込まれた人々の叫びを聞いた ◆[農業・漁業]生産コストの上昇に加え、消費増税で二重苦に
野菜

国産の生鮮食品が希少品になる日も近い?

 消費税増税は、漁業や農業の生産者たちにも大きな影響を与えている。魚介類や野菜の値段は市場の”競り”で決まるため、生産者の意向で増税分を価格転嫁しづらい構造になっているのだ。  しかも長引く原油高などにより、生産コストは増大する一方。経費は増えても商品の値段に反映することができないという二重の苦しみを被っているという。  その状況を懸念し、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は、海外では食料などに適用される軽減税率の導入を政府に訴えてきたが、それもいまだ実現されていない。 「近年は嗜好の多様化などにより、日本国民の魚介類の消費量自体も減少傾向にある。そのなかでの増税は、やがて生産者の手取りにしわ寄せがくる」(全漁連広報)  農業も事情は同じ。ある農協関係者は、「国産の野菜は安い海外産との差をつけるため、質で勝負しなければならない。その分だけ手間がかかるが、競争を考えると価格を抑えざるを得ない。その結果、消費税分を転嫁できない状況になっている」と指摘する。  漁業も農業も、「10%になったら、事業の存続すら危ない」と心配する生産者は多く、近い将来、廃業者が続出するかもしれない。 ― [消費増税の悪夢]密着ルポ【3】 ―
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