「DVDを1万枚売らなければ即解雇」お笑いトリオ・グランジの知られざる苦労とは

DVDを1万枚売らなければ即解雇、猶予は半年。そんな崖っぷちに立たされた男たちがいる。佐藤大、遠山大輔、五明拓弥によるお笑いトリオ、グランジだ。お笑いDVDではなくても、アーティストやタレントのDVD、ヒット映画のセルDVDとて「1万枚を超えるのはなかなか難しい」と言われる昨今、見事に「グランジDVD1万枚プロジェクト」と銘打った企画を達成し、芸人として最大のピンチを乗り越えた3人。そんな彼らが1万枚の先に見た景色とは……?

――そもそも、何故そんな過酷な企画を引き受けたんですか?

お笑いトリオ・グランジ

左から五明拓弥さん(ボケ担当)、遠山大輔さん(ボケ担当)、佐藤大さん(ツッコミ担当)

遠山:これはもう吉本の圧力ですよ。満員のお客さんの前でいきなり言われたので、引っ込みがつかなくて。

佐藤:ただ、まったく1万枚売れると思ってなかったら、会社もそんな提示をしてこないんで、ポジティブに考えたら『期待されてるんだろうな』って思って引き受けました。

五明:俺はマジでムカついたよ!お客さんいなかったらぶん殴ってたね!500人目の前にして『誓約書にサインしますか?しませんか?』って、『しません』って言うほうが怖いよ。

――1万枚というとかなりの枚数ですが、どうやって売ったんですか?

お笑いトリオ・グランジ 佐藤

「このご時世、DVDは売れませんからね。ありとあらゆる手を尽くしました」(佐藤)

佐藤:基本は地方に行って手売りですね。あとはTwitterに電話番号を載せて、電話で直に注文を受けて発注するっていう、会社みたいなことやってました。

遠山:朝方にTwitterで『××駅前にいるんで、よかったらほしい人来てください』って告知して、その場でやりとりをして。だから、SNSの凄さっていうのは正直、実感しましたね。

五明:同級生の働いてる職場に押しかけて、押し売りも(笑)。あと、経営コンサルタントの方を招いてどうやったら売れるのか吉本社内で勉強したんですけど、『携帯が鳴ったら折らせていただきます。トイレに行きたい場合は15分前に手を上げてください。間に合わない場合は紙コップにしていただきます』って、すごい厳しいんですよ!

遠山:本当厳しかった!

五明:『これどうですか?』とか否定的なことを言うのもダメ。刑務所みたいなやり方でしたよ。

佐藤:しんどかったですけど、みんなで愚痴ったりして、チームワークは良くなりましたね。

――自分たちで売るとなるとトラブルも多そうですね。

お笑いトリオ・グランジ 遠山

「旅費を会社が一部払ってくれる話もあったんですが、一切音沙汰なし。やられてます!」(遠山)

五明:1人で四国に80枚持って行ったのに、思ったほど売れなくて重かったっていうトラブルはありましたね。会社から青春18切符を渡されて、それ以外は何もやってくれないので、全部自分で。一応タイムスケジュールをペラ1枚くれるんですけど。

遠山:マネージャーとかも一切ついてこないし、単身乗り込むっていう。ホテルも自分で探して、自分でチェックインして、完全に野放しですよ!誰も起こしてくれないし、一回、飛行機に乗り遅れて自腹で沖縄まで行きましたからね。

五明:それはお前のせいだよ!

佐藤:職業がわからなくなってくるんですよね。芸人なのか、DVDを売るおじさんなのか、って葛藤がありました(笑)。

――「解雇」という話題が先行していたことで悩みはありましたか?

お笑いトリオ・グランジ 五明

「サインする前のビニールのパッケージ開封がめちゃめちゃ早くなりました」(五明)

佐藤:僕ら的にはDVDの内容を褒めてほしかったですね。どうしても同情心が先行しちゃうんで、途中から『これ中身なくても売れんじゃねえかな』って思うこともありました。

遠山:先輩はみんな『辞めて他の事務所行ったほうがええやん』って言うんですよ。けど、マネージャーから広報の方、レーベルの方まで一生懸命やってくださったんで、この人たちのためにも解雇になっちゃいけないなと思って、一生懸命にやりました。

五明:僕は解雇になりたくないって、ただそれだけでした(笑)。

――自分たちでやることでいろいろな出会いもありそうですね。

佐藤:僕らはメディア露出が全くない芸人なんで、人と触れ合って悩みごとを聞いたり、握手して写真を撮ったり……言ったら政治家みたいなことをして。結果、人に優しくなりましたね(笑)。

遠山:地方の料理番組に出て食べた感想を言ったり、今までそんなことありませんでしたからね。あとは序盤に呼んでくれた番組が、終盤にもう一度呼んでくれたりしました。

佐藤:本当優しいですよね。鈴木おさむさんの番組とか、何回も呼んで、告知されてくれて、本当に嬉しかったですね。

五明:そのラジオ番組を、僕の友達が勾留所で聞いていたらしく、『俺は、同級生がこんなに頑張ってるのに、何をしてるんだ』って、号泣したらしいです(笑)。

⇒【後編】『苦労の末、見事1万枚を達成!』に続く http://nikkan-spa.jp/659638

【グランジ】
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑いトリオ。当初は遠山大輔(中)と佐藤大(右)によるコンビだったが、2005年に五明拓弥(左)が加わりトリオになる。2013年発売の『グランジ BEST NETA LIVE』が半年で出荷数1万枚を記録

グランジ<取材・文/日刊SPA!取材班>

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