デング熱よりも怖い!? マダニが介する致死率33%の感染症

 致死率約3割という出血性のウイルス感染症、「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)の報告が相次いでいる。

フタトゲチマダニ

ヒトの血を吸って膨らんだフタトゲチマダニ。SFTSウイルスの宿主の一つで、ノコギリ状の口器を皮膚に刺し込んで吸血する

 SFTSは’11年に中国の研究者が報告した新種のウイルス(SFTSウイルス)が原因。ウイルスを持っているタカサゴキララマダニ、フタトゲチマダニという2種類のマダニに咬まれることで感染する。’13年1月に日本人初の患者報告以降、’14年7月末までに患者数85人、うち26人が死亡している。国際感染症センター医師の忽那賢志氏は次のように語る。

「初めての患者報告以降、過去にさかのぼって調べた結果、’05年に採取された血液検体からSFTSウイルスが発見されています。西日本のみに患者が集中しているのは、ウイルスを持つ2種類のマダニの生息数が多く、なおかつウイルスを保有しているダニの割合が多いためです」

⇒【資料】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=706030

地域別SFTS患者数 もっともこれらのマダニは東日本にも生息し、SFTSウイルスを保有しているものも発見されている。つまり日本国内ではどの地域でも感染する可能性があるのだ。

 主な症状は発熱、おう吐、下痢、頭痛、筋肉痛などで、下血や血便などの出血症状も確認されている。血小板や白血球が減少し、重症の場合は肝臓・腎臓障害、多臓器不全などで死に至ることもある。

「ウイルスの媒介となるダニは体長約4mm、吸血すると10mm程度に大きくなるため肉眼での確認も可能です。ただ、咬まれたことに気づかないケースもあります」

 血液検査などで血小板や白血球の数、肝機能値などが異常に低下していることなどが確認され、同じような症状を示すほかの病気の可能性がなくなれば疑いが濃厚。最終的には患者の血液でウイルス遺伝子の有無を調べることになる。

「高齢者や、ほかの病気で免疫状態が悪い場合は、重症化のリスクが高いと考えられています。しかし症例数が少ないため、詳細はまだ不明です」

 現時点では、予防用のワクチンや治療薬は存在しない。

「血小板減少による血圧低下時に点滴をして進行を抑えたり、合併症の細菌性肺炎に抗生物質を投与するなど、対症療法を行うしかないのが現状です」

 究極の対策はSFTSウイルスを持つダニに咬まれないことに尽きる。これらのダニは、山や深い草むらなどに生息している。

「山などに入る場合は、なるべく肌を晒さないことが肝要です。また、DEET(ディート)と呼ばれる化合物が含まれる虫よけスプレーを使用することも効果的です。ただし、日本で発売中のスプレーの濃度は最高でも12%で効果の持続は約2時間。長時間、野山に入る場合は2時間ごとに虫よけスプレーを使用する必要があります」

※9/2発売の週刊SPA!では、「エボラ熱より危険な[日本の感染症]」と題した特集を掲載。人食いバクテリアから薬が効かない病原菌まで、日本人が注意するべきはこっちだ!

<取材・文/週刊SPA!編集部>

週刊SPA!9/9号(9/2発売)

表紙の人/小島瑠璃子

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
関連記事

スズメは恐竜でも“ピー助”は恐竜じゃないにショック!マクドナルドのフィギュアで覚える恐竜の定義【PR】

スズメは恐竜でも“ピー助”は恐竜じゃないにショック!マクドナルドのフィギュアで覚える恐竜の定義【PR】
 最強の恐竜とは何か?と聞かれれば、誰もが思い浮かべるのがティラノサウルスだ。映画やアニメなどでおなじみの肉食恐竜だが、ティラノサウルスがなぜ最強なの…

連載

ばくち打ち/森巣博
番外編その3:「負け逃げ」の研究(4)
メンズファッションバイヤーMB
プロが激賞「高級サンダルが2000円台で買える!」
山田ゴメス
「なんちゃって石原さとみ」が増加中!? 7つのメイクと7つの仕草で翻弄される男たち
オヤ充のススメ/木村和久
プロ客から見たキャバクラの世界
フミ斎藤のプロレス講座/斎藤文彦
“ホーガン不在”のウォリアー政権――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第100回
英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅
「テラスハウスの一員になろう」――46歳のバツイチおじさんはイケメン&美女集団に溶け込もうとした
原田まりる
純潔な弟に風俗で女性経験させようとした姉の話
18歳女支配人・このみんの経営学「私のミカタ」/園田好
中2まで、巨乳はコンプレックスでしかなかった
大川弘一の「俺から目線」
死神bot、LINEで始動――連続投資小説「おかねのかみさま」
プロギャンブラー・のぶき「人生の賭け方」
熊本地震の災害ボランティア、現状の課題は「参加希望者の再分配」だ
フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪
“東京五輪”なのに伊豆(静岡県)開催の自転車競技を追っかけてみた件
おじさんメモリアル/鈴木涼美
「顔じゃなくて知性で女を選ぶ」男の無知性
僕が旅に出る理由 in India/小橋賢児
北インド秘境で「宇宙に住んでいる」と実感した――小橋賢児・僕が旅に出る理由【最終回】

投稿受付中

バカはサイレンで泣く 投稿受付中
佐藤優の人生相談 投稿受付中