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追及、検証、擁護…舛添問題で都議会自民党は動かない

追及、検証、擁護――都議会各会派の動向

 連載第3回「舛添知事の進退問題はこう動く 追及すべき都議会の思惑とは?」で、筆者は5月25日の議会運営委員会で都議会が舛添問題をどのように扱うかが注目点であることを指摘した。議会運営委員会とは会派(政党)の代表者などで構成されており、議会の運営方法などについて協議する場である。  週明け5月30日現在の主要政党の動向は以下の通りである。 (A)都議会自民党(与党)……舛添知事の政治資金流用問題や公私混同問題を追及する気は全くない。 (B)共産党(野党)……舛添疑惑を追及するために「百条委員会」の設置や、「総務委員会」での集中審議を提案した。 (C)民進党(野党)……舛添知事の説明に虚偽がないか検証するために「調査チーム」の立ち上げを決定した。

舛添知事との取引を狙う都議会自民党の切り札

(A)については、安倍総理をはじめ自民党の国会議員達は舛添知事に説明責任を果たすよう再三求めているが、都議会自民党は様相が異なる。自民党の都議会議員達は舛添知事が助けを求めてきた場合、舛添知事をガードする気でいる。  現在、「副知事人事」の時期だが、この混乱のために舛添知事は自らが主導する形で人事を提案できていない。仮に都議会自民党が、舛添知事から助けを求められた場合、いくつかの条件を提示するだろう。その一つが副知事人事である。都議会自民党が副知事を抑えれば、彼らの都庁に対しての影響力は絶大になるからだ。  だから、都議会自民党は舛添知事が弱って助けを求めてくるのを待ち構えているのだ。したがって、都議会自民党が舛添疑惑を追及することは、現状では100%ありえない。  豪華海外旅行や公用車での温泉旅行や美術館回りなど公私混同がはなはだしく、どんなに不適切な税金の使い方をしようが、都議会自民党は舛添知事を守り抜くだろう。これは、在任中は都議会をけん制してきた石原慎太郎元知事や猪瀬直樹前知事の時にはあり得なかった現象だ。
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百条委員会の設置はない
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