更新日:2016年06月22日 15:25
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舛添知事の命運を握る「都議会自民党」を野党は攻めきれるか?

石原都政時代に第一党だった民主党だが……

 野党は、都議会という「ムラ社会」の中で、自民党に対して委縮しているのである。偏差値秀才の多い野党議員は、自民党と喧嘩ができないのだ。自民党はたいして喧嘩が強いわけではないのだが、野党が極端に弱すぎるのである。  かつて石原都政時代に民主党が第一党になり、議長を輩出していた。しかし、民主党は圧倒的多数を誇っているにもかかわらず、肝心な時に必ず自民党に迫力負けをしていたのだ。決して自民党に迫力があるのではない。野党に迫力がなさすぎるのだ。  普段から顔を合わせている相手を批判するのは、なかなかきついだろうが、有権者の負託を得て議席を有し、報酬や政務活動費など年額2500万円、1期4年間で1億円もの公金を受け取る都議会議員たちは、その責任を果たさなければ、存在そのものが「税金の無駄遣い」になってしまうのだ。

野党が打つべき次の一手は?

 民進党は舛添疑惑に対しての調査チームの立ち上げを表明した。しかし、アドバイザーに元検事で弁護士の郷原信郎氏を選任しながら、「特定政党に肩入れできない」との理由で、本人より断られてしまったという。  いくつかの政党でまとまって、自民党系、保守系の有識者を巻き込んで調査チームを立ち上げるなどの調整を行うべきである。  世論では、舛添問題を放置してきた都議会最大与党自民党への批判が強まっているが、野党の追及が手ぬるければ、彼らの力量も都民や国民に見透かされるだろう。 【野田数(のだかずさ)】 教育評論家。東京都出身。早稲田大学教育学部卒業後、東京書籍に入社するが、歴史教科書のあり方に疑問を持ち、政治の道へ。東京都議会議員時代に石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏と連携し、朝鮮学校補助金削減、反日的な都立高校歴史必修教材の是正を実現し、尖閣購入問題などで活躍。その後、多様な経験を活かし、ビジネス誌や論壇誌で本質を突いた社会批評を展開している。
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