「ユーロ2016はテロに狙われている」噂の真偽をスポーツ記者が現地レポート
現地時間6月10日からフランスで開催されているユーロ(サッカー欧州選手権)2016も22日でグループリーグの全日程を終了し、決勝トーナメントに進出する16チームが出揃った。地元フランスや強豪のスペインやドイツ、イタリアに加え、小国のアイスランドやウェールズ、北アイルランドの健闘もあって、現地では首都パリを中心に開幕から賑わいが続いている。
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それを示す通り、多くの試合中のスタンドで発煙筒が炊かれ、ときにはピッチに投げ込まれるなんてことになっている有様だ。一部で発生しているのはテロとは対策も脅威もまったく異なるフーリガン絡みのトラブルである。
ちなみに、フランス政府が安全対策としてユーロに合わせて提供を始めたテロ警報通知アプリ「SAIP」(フランス語版と英語版がある)をスマホにインストールしてみたが、いまのところアラートはない。位置情報を入れることで身近でテロの脅威がある際には、音を発せずスマホの画面が赤くなり危険を知らせてくるらしいが、幸い、アプリは眠ったままだ。
開幕前は昨年11月にパリで起きた同時多発テロに続き、ことし3月にお隣ベルギーの首都ブリュッセルでの爆弾テロに関わっていた犯人グループが当初はユーロをねらっていたとの情報も出ていただけに開催を心配する声も多かった。だが、筆者は間もなく現地に入り取材をはじめて2週間が経過するが、いまではテロへの恐怖というか警戒心はどこかへ消えてしまったというのが正直な感想である。フランスに入る前は、筆者もネットなどで事前に情報を入手し、少しばかりの緊張感を持って来たが、それは現時点で杞憂に終わっている。
もちろん、空港や鉄道の主要駅、スタジアムの周囲では通常よりも厳重の警備が施され、機関銃を手にする警官の姿も目に付く。ただ、物々しいかといえばそうではない。実際に観戦に来たサポーターと機関銃を手にした警官が一緒に記念写真に納まっているなんてシーンを何度目撃したことか。また、スタジアム入場の際には二重、三重にセキュリティチェックが行なわれているものの、意外にも緩いと評判。
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