イングランドvsウェールズ EU離脱の国民投票より大注目“英国ダービー”の舞台裏
現地時間23日に、その是非が問われるイギリスのEU離脱に関する国民投票。この国民投票は、同国では「Britan(イギリス)」と「exit(退出)」を掛け合わせた造語「Brexit(ブレグジット)」と呼ばれている。そんな「Brexit」よりもひと足先に熱戦が続いているのが、日本では深夜から早朝にかけて全51試合がWOWOWで生中継されている「EURO2016」だ。
そのなかでも、かねてより“最も白熱する試合”として注目を浴びていた一戦が行われた。それがイングランドとウェールズによる「英国ダービー」。前半終了間際にエースのガレス・ベイル(レアル・マドリード)のFKでウェールズが先制するも、後半11分に途中出場のジェーミー・ヴァーディー(レスター・シティFC)のゴールで同点になり、さらにロスタイムでダニエル・スターリッジ(リヴァプールFC)が混戦の中から押し込み、結果は2−1でイングランドが逆転で勝利を収めた。
試合当日の朝、パリから会場のあるフランス北部の都市、ランスに向かうTGVを待つ列には、すでに両国のユニホームに身をまとったサポーターたちが連なっていた。
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ランスの駅に到着すると、構内でいきなりの手荷物検査。都市ごとにスタジアムへのアクセスが異なるため一概には言えないが、武装警官の人数や検査の厳格さはこれまで記者が訪れたなかでは最もハードなものだった。なかには、到着早々にウオッカの小瓶を没収され、いきなり出鼻をくじかれるサポーターの姿も。先日のイングランドとロシアの試合後、激しい暴動が起き、サポーター1名が重体、多くの負傷者が発生したことを受け、警備はさらに強化をされたとのこと。
試合開始3時間前、ランスの街中を訪れると小雨が舞うなかにもかかわらず、大声を張り上げ、時に歌いながらビールをあおる大男たち。「I need ticket」とチケットを求める人も数多く見受けられ、このカードがいかに重要な意味を持つかを伺わせた(ほかの試合会場では、チケットを売りさばくダフ屋のほうが圧倒的に多く見られたのに)。
試合開始を迎える15時には、それまで重たく空を覆っていた雲も晴れ、会場となったスタジアム「スタッド・フェリックス・ボラール」も、いよいよ決戦との機運が高まる。両国のサポーターは、あらん限りの声で「イングランド!」「ウェールズ!」と各々のアイデンティティーを叫んでいた。
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