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赤毛ヤリマンとの切ない恋の話――爪切男のタクシー×ハンター【第八話】

 何か月も思い悩んだ末、私はついに決断した。そして、間近に迫っていた赤毛の誕生日に自分の気持ちに決着を付けることにした。 「赤毛ちゃん、誕生日おめでとう」 「編集長……みんなの前で言ってくれてもいいのに……二人っきりで言ってくれて嬉しいです!」 「これ……誕生日プレゼントなんだけど、受け取ってくれるかな?」 「嬉しい! 返事聞かずに開けちゃいますね!(笑)……コレって?」 「日本で最高級のエアガンだよ」 「エアガン? 銃?」 「俺のワガママだけど、この銃を赤毛ちゃんに持っていてほしい」 「……?」 「俺が交通事故や通り魔に遭っていきなり死ぬようなことがあった時、薄れゆく意識の中で、俺の銃を持っている女がこの世にいるんだと思えたら笑って死ねると思うんだ」 「……」 「俺が死んでも俺の銃は残る。俺が死んでも俺の銃を持った女は残る」 「……」 「今、この世で俺がプレゼントした銃を持っている女は赤毛ちゃんしかいないんだ」 「……」 「こんなことは親友の赤毛ちゃんにしか頼めない。受け取ってくれるかな?」 「……親友」 「ダメかな?」 「……ありがたく受け取ります!」 「ありがとう、赤毛ちゃんは本当にいい女だよ」 「知ってます!(笑)」  こうして私と赤毛の淡い恋物語は終わった。私は唾売り女と人生を一緒に歩み、赤毛は私の銃を持って自分の人生を生きていくのだ。ここで流すBGMがあるならビートルズの「The Long And Winding Road」でお願いしたい。  しかし、人生はそうはうまくはいかないものだ。
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数週間後、深夜の休憩時間、円山町のラブホテル街へ
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死にたい夜にかぎって

もの悲しくもユーモア溢れる文体で実体験を綴る“野良の偉才”、己の辱を晒してついにデビュー!

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