雑学

ファッションは、おしゃれエリートだけのものじゃない――ファッションバイヤーMB×哲学ナビゲーター原田まりる

洋服を変えるだけで、人生は大きく変わる


 世の中にはさまざまな哲学があるように、ファッションにも哲学は存在する。そこで、日刊SPA!でも連載中のファッションバイヤーMBとコラムニストで哲学ナビゲーターの原田まりるの異色の対談を実現した。原田さんは先日、哲学エンターテイメント小説『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイアモンド社)を上梓したばかり。お互いに専門分野に対してどう切り込んでいくのか――。

MB:原田さんが、前回のとき「哲学で人の人生を変えたい」「水や神の概念なんてどうでもいい」とおっしゃっていたのは、僕もすごく共感するところで。ファッションにも、そういうところは大きいんですよね。

原田:といいますと?

MB:一部のおしゃれエリートの人を除けば、大多数の一般の人にとっては、洋服の素材とか作りがどうとかってどうでもいいじゃないですか? 要はみんな「女の子にモテるためにはどういう格好をしたらいいか」が知りたいんですよ。つまり、いまある洋服が、現実の世界にはどういう作用をするのか。それが一番大事なところなんです。

原田:たしかに、素材とかどうでもいいですよね。それによって、どれだけモテるかのほうが肝心というか。

MB:ただ、多くの人はどういう格好がおしゃれなのかがわからない。そこで、僕は、わかりにくいファッションをまったく興味のない人に教えることで、人を幸せにしていたいという気持ちがあるんです。これは原田さんの「哲学で人を救いたい」という気持ちと、全く一緒ですよね。

原田:そうですね。すごく近いと思います。

MB:あと、実は僕自身も自己啓発的な考え方が好きで、いまも僕のメルマガのなかで自己啓発的なコラムを書いているコーナーがあるんです。長年の読者の方は、メルマガのそのコーナーを楽しみにしてくれている人も多いんですよね。

原田:へー、そうなんですか! 洋服と自己啓発って、意外な取り合わせという気もします。

MB:いや、そうでもないんです。服に興味を持っている人っていうのは、基本的に「人生を変えたい」「自分の印象を変えたい」と思っている人たちですよね。根源的に考えると、「もっと人によく思われたい」っていう人たちなんです。そうした自己改革欲求を持っている人が、次第に自己啓発に流れていくのはすごくストレートなんですよね。

原田:すごく初歩的な質問ですけど、ファッションで外見を変えると、人生はどのくらい変わるんですか?

MB:すごく変わると思います。多分、普通の人が思っている以上に。たとえば、警官の恰好をしていれば、警官に見られるし、学生服を着ていれば学生だと思われる。そのくらいその人の印象を変えてしまうものですから。

原田:なるほど。たしかにそうですね。しかも、肉体改造とかいろんなものに比べて、すごく手っ取り早く自分を変える方法でもありますよね。極端な話、「自分に合った洋服を買えばいい」というか。

MB:ただね、自分が変わった満足感って、どんなときに得られるかというと、「他人に褒められたときに」に一番に実感するんですよ。自分で鏡を見て「カッコよくなったな」と思うのは自己満足の延長にしか過ぎない。そこで、誰かに褒められることで、自分の自信になるんです。読者さんからも、「メルマガを読むようになって2か月で、おしゃれな洋服ショップの店長さんに洋服を褒められました」と喜んでいる人がいて。

原田:すてきですね。

MB:そうですよね。こういう自分の自信につながる体験を、ファッションを通じて、もっと多くの人にしてほしいんですよ。

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人生を見つめなおす中年期になると自分の服装も見直す

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ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

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