「女のコが攻めない競技で勝負したい」15歳の天才スケボー少女・西村碧莉がストリートにこだわる理由
競技としてのスケートボードは、「パーク」と「ストリート」に分かれている。パークはお椀型のボールや深皿型のプールなどを複雑に組み合わせた「コンビプール」と呼ばれるコースを使用。ストリートは街中に存在する階段や縁石、斜面や手摺などを模したコースを使用。両種目とも難易度、スピード、オリジナリティなどを評価する採点競技である。
西村:自分がやっているのはストリート。なんでかって言うと、レールを攻める女のコが周りにいなかったからです。どうせなら人と違うことがやりたいじゃないですか。みんながやりたがらないことをやりたいんですよ、昔から。得意なのは手すり(レール)を使ったトリック。前の金属部分を滑らせていく。Kグラインドって言うんですけどね。日本の女のコだと、このKグラインドをレールでやるコはいないと思います。自分の滑りは細かい技をテクニカルに繋げていく感じかな。あと、女のコっぽくないスタイルですね。女のコってどうしても独特の柔らかい腰の動きとか手の動きが入っちゃうんですけど、自分はガンガン攻めていきたいほうです。
西村の日常は練習を中心に回っている。平日は夕方4時まで中学校。そこから電車で50分かけてパーク(練習場)に。パークは9時45分に閉まるが、最後まで滑るときもあれば、9時頃で切り上げることもある。決まったカリキュラムがあるわけではないので、そのあたりも自分の気分次第なのだという。休日はもっぱら練習漬け。青春を謳歌する周囲の中学生を見て、うらやましくなったりはしないのだろうか。
西村:中2の後半くらいからは海外遠征とかが増え始めて、遊びどころじゃなくなってきたんですよ。あと友達と遊んでいるより、仲間と滑っているほうが単純に楽しいっていうのもありますし。それ以外だと、たま~に家族と買い物行ったりするのが好きですね。ショッピングセンターをブラブラ歩いたりとか。自分、洋服とかはまったく興味ないんですけど、家族と一緒にいるだけでホッとします。一番幸せな時間かもしれない。
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