更新日:2022年08月21日 11:57
スポーツ

「女のコが攻めない競技で勝負したい」15歳の天才スケボー少女・西村碧莉がストリートにこだわる理由

 小2のとき、姉2人と一緒にスケートボードを始めた西村。幼い頃から「天才スケボー三姉妹」として知る人ぞ知る存在ではあった。そして14年、15年とAJSA全日本レディースで優勝したあたりで、にわかに周囲が騒ぎ始める。果たして東京オリンピックが開催される2020年の西村は、どうなっているのだろうか? 西村:まったく想像つかないな……。4年前、自分が今みたいになるなんて考えもしていなかかったですし。ただ、海外に出る機会は増えていると思います。やっぱりアメリカのスケーターのほうが、日本人より全然ヤバいんですよ。向こうってパークの数も多いし、競技人口も多いし。本格的にスケートボードをやっている人は、どうしてもアメリカを目指しますよね。何よりも日本と一番違うと思うのは、根性とか向上心の部分。テクニックよりハートの問題じゃないかと自分は思います。女のコでも“攻める滑り”で仕掛けてくるんですよ。難易度が高い技にチャレンジしまくって、コケまくって、上手くなっていく。海外に行くと、すごく刺激を受けますね。  憧れの選手は、インスタグラムのアカウント名が「moose805」というプロのスケーター。DVDがきっかけで夢中になったのだという。同選手が使用するのと同じブランドの板も購入し、それがきっかけになりスポンサードもしてもらうようになった。「会えたら本当にうれしいですね。サインとかもらっちゃうかも(笑)」と照れる様子は、いかにも中学生っぽい。カラオケの十八番であるGENERATIONS from EXILE TRIBEは憧れではないのかと尋ねると、「あっ、ジェネももちろん憧れです! もっと自分が有名になったら、いつかは会えますかね?」と目を輝かせていた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1273918 西村:もし自分がオリンピックに出ることができたら、スケートボードを知らない人に対しても滑る楽しさを伝えたいなと思います。海外とか男子に目を向けたら、正直、自分なんてまだまだなんですよ。理想の滑りが100点だとしたら、今は10点くらいかもしれない。だけど10月に参加した『SUPER CROWN WORLD CHAMPIONSHIP』で自信がついたんですよね。だって、それまで映像で観ていた大会に自分が出ているわけですから。世界中見渡しても、あれ以上にすごい大会なんてないんですよ。そこで5位に入ったことで、世界で戦えないレベルではないと思うようになったんです。今はすごく滑っていて楽しいですし、世界を相手に滑ることにやりがいを感じますね。 にしむら・あおい◎2001年7月31日、東京都生まれ。8歳のとき、母の友達の息子に誘われてスケボーを始める。14年、15年のAJSA全日本レディースで優勝。16年の『X-GAMES』で8位。10月に行われた世界最高峰のコンテスト『SUPER CROWN WORLD CHAMPIONSHIP』では5位入賞の快挙。世界トップレベルの競合相手に臆することない滑りを見せ、喝采を浴びた。ムラサキスポーツ所属。 取材・文/小野田衛 撮影/丸山剛史
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