更新日:2022年08月22日 02:45
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松方弘樹の豪快伝説「ステーキ屋に2000万円」から読む飲食代の見栄【コラムニスト木村和久】

 ところが、女性はお金がなくても見栄を張ってしまうことが多い。それがホストクラブの世界である。ホストクラブの営業ノルマは厳しい。月の売上金額で露骨に競争させられる。担当ホストが上位獲得に「あと100万円足りない」と嘆き、どうしようとなる。ホストに熱を上げている女性は「じゃリシャール(ヘネシー)入れていいから」なんてカードで切って、その後、地獄に落ちることとなる。  ホストクラブに行く客で、何がマヌケかって男性客が女のコを連れて行く場合、これ結構アホです。昔、歌舞伎町に知り合いのスナックがあるから、行こうってほぼ初対面のキャバ嬢に誘われて行った。ドアを開けると、そこはホストクラブだった。偶然知り合いがいて良くしてもらったけど、朝まで飲んで、会計はきっちり3人分で14万円払わされた。要するに、ボクちんは財布だったのね。明け方酔いつぶれた2人に店長が目配せして「どうします?」って聞いてくることが可笑しい。一応連れて来たのは自分だから、お客さんが口説きたかったらどうぞ、という感じだ。けどね、このコらとは今後関わりたくないから、「そっちで適当にお任せしますと」言って店を出た。  ホストクラブの世界では100万円程度のボトルを入れてから、いよいよ暴走機関車が走り始める。要するに、客から絞れるだけ絞ろうという魂胆が見え隠れするのだ。ちなみに、ホストと女性客はエッチできるのかと聞かれるが、それはケースバイケースだ。引っ張れる客と思ったら、キスぐらいで思わせぶりをする。逆に、元気なキャバ嬢が遊びに来ると、それはお金より口説き目的でガンガンいっちゃう。ホストに客として引っ張られるのはお金持ちか風俗嬢、そこら辺が美味しいそうだ。  そう考えると、キャバクラってホストクラブほど怖くない世界と言えますな。1時間で切り上げる客がいても怒られないし。男の熱心さって手間暇かけることで、お金じゃないと解釈する客が多いし。
木村和久

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 思い余ってキャバ嬢に対し「100万円のボトルを入れたら、ヤラせてくれる?」と聞いたら、多くのキャバ嬢はこう答えるであろう。 「もったいない、店に金払うなら、全部私に頂戴。願い少し叶えるから」  おあとがよろしいようで。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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