45歳エリート営業マンの転落…課長就任後、2人の部下をうつにさせ年収130万円ダウン
人生の折り返し地点である40代。サラリーマンの7割が万年ヒラ社員で終わると言われている昨今、会社員として伸び悩む者が大半のなか、40代で人生を好転させる者もいる。同じ40代ながら、両者を分け隔てるものとはいったい何なのか。ここではある失敗例を紹介する。
…大島孝雄さん(仮名・45歳)/旅行会社/800万円→670万円
個人の能力が高いからといって必ずしも管理職として優秀とは限らない。「そのことを改めて思い知らされた」と話すのは、大手旅行会社社員の大島孝雄さんだ。
法人担当の営業マンとして、大口契約を次々とゲットするなど営業成績は社内でもトップクラス。41歳のとき、社内でも花形部署の本社法人営業部の課長に抜擢されたバリバリのエリートだ。
「就任当初は自信しかなかったですね。自分なら部署の業績アップは間違いない、部長昇進も時間の問題だと思っていました」
ところが、そんな予想に反して部署の成績は落ち込んでいく一方。
「『私ならこの程度のノルマはクリアできるから部下もできて当然だ』と自分を基準に考えてしまい、部下に同じことを求めてしまったんです。ですが、そうやって設定したノルマは、毎月1~2人しか達成することができませんでした」
しかも、契約の取れなかった部下に対しては毎日のように罵声を浴びせ、ノルマ達成のためなら残業や休日出勤も当たり前のブラック部署と化していたとか。
「私が新人の頃は上司に怒鳴られながら仕事をしていました。もともと体育会系だったこともあり、それが当たり前だと疑いもしなかった。でも、それが間違いでした」
大島さんが課長就任後、わずか1年の間に部下が2人退社。連日の叱責と厳しいノルマのプレッシャーに耐えきれずにうつ病になってしまったのだ。
「その退職した部下を含む複数の社員が会社上層部に私を告発するメールを送ったらしく、結果として私は今いる地方都市の営業所への異動を命じられました。役職は同じ課長ですが、まあ左遷ですね。現在は部下に厳しく接することもないですし、ノルマ未到達でも『来月頑張ろう』と励ますだけ。皮肉なもので、そのほうが業績は伸びたんですよね。ここでいくら実績をつくっても二度と本社には戻れないと思いますが……」
悔やんでもあとの祭り。彼の武器だった“熱血”は、時として諸刃の剣にもなり得るのだ。
●伸び悩んだ要因
20~30代の頃の自分の基準を部下に押し付けたから
※写真はイメージです
― 40代から[人生が好転する男]の特徴 ―
トップ営業マンでも管理職として優秀とは限らず
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