雑学

新卒での就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者「年収240万…娘の進学希望も叶えられない」

 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った――

年収300万円家族の苦悩

※写真はイメージです

新卒就活失敗を今なお引きずる40代非正規雇用者

…遠山浩二さん(仮名・44歳)/世帯年収260万/家族構成:妻+子供(16歳)

 総務省の労働力調査によると、今年8月の時点で正社員として働く機会のない非正規雇用者は35~44歳で約365万人。現在、埼玉県で非常勤の塾講師とアルバイトの家庭教師をかけ持ちする遠山浩二さん(仮名・44歳)もそんな非正規雇用者のひとりだ。

「今、満足に妻と娘を養うことができていないのは、関西大学時代、就職氷河期の影響で就活に失敗したのがすべての始まり。内定は1社ももらえず、卒業後にようやく見つかったのは、学習塾の非常勤講師でした」

 2年後には正社員として登用されたが、毎年のように生徒集めのノルマを課せられ、「講師なのに営業活動に割く時間のほうが多かった」と当時を振り返る。

年収300万円家族の苦悩

関西の人気私大に進むも’90年代後半の就職氷河期の影響で就活は全滅。教員免許を持っていたため、卒業後は特に興味のなかった塾講師の仕事を始めてはや22年。現在は埼玉県の県営住宅(3DK、家賃4万9000円)に住む

「志望校合格率や難関校への合格者数のノルマもありましたが、同じ地域には大手の学習塾や個別塾が次々と進出し、規模の小さなウチはジリ貧。ノルマは達成できないことのほうが多く、毎週本部に呼び出されてはダメ出しされるし、あまりのストレスで円形脱毛症ができるほどでした」

 当時は毎日、朝から深夜まで働いても年収はピーク時で400万円弱。次第に体の不調を訴えるようになり、逃げ出すように35歳でほかの学習塾チェーンに転職。だが、そこも似たり寄ったりのブラック職場だった。

「しかも、40歳のときに経営難を理由に複数の教室が閉鎖となり、リストラされてしまったんです。年齢的に正社員として採用してくれる塾はなく、非常勤講師の職を確保するのがやっと。家庭教師のアルバイトも始めたが、年収は240万円までダウンしました」

 スーパーでパートとして働く妻の収入を合わせても現在の年間収入は約260万円。

「その妻の勤務先がセルフレジを導入することになり、パートの削減を予定しているらしいんです。クビを想定して新しいパート先を探しているようですが、そこに頼らなければ生活できないのがツラい。夫として情けないばかりです」

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娘は希望する進学ができない

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