いよいよ登板!ダルビッシュはワールドシリーズへ順風満帆、田中マー君は崖っぷちヤンキースを救えるか!? ~ワールドシリーズへのいばら道~
10月のアメリカは「スポーツの秋」。
NFL(アメフト)はシーズン序盤戦が行われ、NHL(ホッケー)は開幕を迎え、NBA(バスケット)ではオープン戦がはじまった。そんな中、MLB(メジャーリーグ)では今年も約1か月に渡るプレーオフが幕を開けた。
今季は3球団がシーズン100勝を達成した珍しい年だった。ドジャース(102勝)、インディアンズ(102勝)、アストロズ(101勝)の3チームだ。これは126年の歴史を誇るMLB史上6度しかない快記録となった。ちなみに直近では2002年、2003年にそれぞれ3球団がシーズン100勝を達成したものの、いずれの球団もワールドシリーズを制することは叶わなかった。公式戦とプレーオフは別ものと言われる所以だ。
2012年にルール改定が行われたMLBのプレーオフは、各リーグ15球団によるペナントレースの結果、地区優勝3球団に加え、地区優勝を逃した12球団の勝率上位2球団が、生き残りを掛けた1試合のガチ対決「ワイルドカードゲーム」からはじまる。
今年の「ワイルドカードゲーム」は劇的なホームランが飛び交うワイルドな試合内容で、ア・リーグは8対4でヤンキースがツインズを、ナ・リーグは11対8でダイヤモンドバックスがロッキーズを、それぞれ下して勝ち名乗りを挙げた。次なるラウンドは5戦3勝制の「地区シリーズ」。ここに勝利すると「リーグ優勝決定シリーズ」(7戦4勝制)、そして世界一をかけた「ワールドシリーズ」(7戦4勝制)へと続く。
今年のプレーオフロースターに登録された日本人選手は、ダルビッシュ有、前田健太(ドジャース)と、田中将大(ヤンキース)の3選手。残念ながら上原浩治(カブス)はロースターから漏れてしまった。彼らが所属する両チームの地区シリーズを検証してみよう。(数字はすべて10月7日午後4時現在)
ロサンゼルス・ドジャース対アリゾナ・ダイヤモンドバックス
・今季の直接対決はドジャースの8勝11敗
・9月の直接対決はドジャースの0勝6敗
・地区シリーズのホーム開幕権はドジャース
・ドジャースが幸先よく第1戦に勝利
・ダルビッシュは地区S第3戦に先発予定(日本時間10/10午前11時)
・ダルビッシュの過去の地区Sは2先発で0勝2敗
・ダルビッシュは今季の投球間インターバルで27.1秒を記録(メジャーワースト3位)
クリーブランド・インディアンズ対ニューヨーク・ヤンキース
・今季の直接対決はインディアンズの5勝2敗
・8/28から8/30はインディアンズが敵地で3連勝
・インディアンズが2連勝で地区シリーズ制覇に王手
・田中将大は地区S第3戦に先発予定(日本時間10/9午前8時30分)
・田中将大は地区S初登板
・’15年のワイルドカードゲームは先発し5回4安打2失点と好投も負け投手
・地区シリーズ史上、2連敗チームの勝率は.125(49/56の確率で地区S敗退)
・0勝2敗から逆転3連勝は2000年以降で4例あり(’01年ヤンキース、’03年Rソックス、’12年ジャイアンツ、’15年ブルージェイズ)
今季メジャー最多の102勝を挙げたドジャースは、地区シリーズ初戦に勝利し、心理的にも大きな1勝を挙げた。第3戦に先発予定のダルビッシュは、現地メディアから投球間のインターバルが長いと指摘されていたのが気になるところだが、チームとしてはスポイラの呪いは杞憂に終わりそうだ。
一方でワイルドカードゲームは勝ち上がったものの、地区シリーズ2連敗スタートとなったヤンキースは早くも窮地に追い込まれた。第3戦に先発予定の田中将大はインディアンズ3番のホセ・ラミレスに.625(8打数5安打)、4番エンカーナシオンに.455(22打数10安打)と打ち込まれている。後がないヤンキースは奇跡の大逆転なるか!?
すべては田中将大の右腕に託されることとなった。
取材・文/小島克典(スポーツカルチャーラボ)www.scl.tokyo
ダルビッシュ・前田が挑む2017 年地区シリーズ
田中将大が挑む2017年地区シリーズ
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