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みうらじゅん×田口トモロヲ 「ブロンソンズ」の二人が憧れる“男気”とは?

 チャールズ・ブロンソンという俳優をご存知だろうか――?

 日本では’70年に「マンダム」のCMに出演し人気を博したこともあり、ある年代以上の人には馴染み深い名前だろう。決して二枚目とは言えない顔でありながら’60~’70年代に数々の映画で主演を務めたこの俳優、チャールズ・ブロンソンを敬愛し、憧れ、彼の思想を継承せんと結成されたのが、みうらじゅん氏と田口トモロヲ氏による「ブロンソンズ」である。

 結成からすでに23年。‘94年に『STUDIO VOICE』誌上で、ブロンソンを“降臨”させての人生相談の連載をスタートさせ、ブランクを挟みつつも’12年からは『POPEYE』(マガジンハウス)にて連載を継続。今年9月にはこの連載をまとめた単行本『男気の作法 ブロンソンならこう言うね』が刊行された。

 なぜ二人は彼の“男気”に憧れ続けるのか? ブロンソンズ結成に至る経緯から男気の本質まで、お二人に話を伺った!

ブロンソンズ

マンダムポーズのブロンソンズ。左が田口トモロヲ氏、右がみうらじゅん氏

「あるとき“ぶちゃむくれ革命”が起きた」


――そもそも、お二人が「ブロンソンズ」を結成したきっかけは何だったのでしょうか?

みうらじゅん氏(以下、みうら):もう20年以上前ですか。当時からブロンソンについて熱く語ってるやつはきっと俺たちしかいないと思ってましたけど、今もたぶん我々だけでしょうね(笑)。きっかけで言うと、初めてトモロヲさんとお会いしたときになぜかブロンソンの話が出て盛り上がったんだよね。

田口トモロヲ氏(以下、田口):そうそう。話せば長くなるけど、まず僕たちには“B革命”なるものが2回来ているんですよ。一つ目は『燃えよドラゴン』を初めて観た時の「ブルース・リー革命」。小さな東洋人が大男をバタバタなぎ倒していくんですけど、当初は本当にコレがカッコいいのかカッコ悪いのか、理解不能の領域だったんです。でも観ているうちに「なんかすごいことが起こってるぞ!」という衝撃だけは心に焼き付いていて。

みうら:それでいてあの「アチョー」という怪鳥音だったしね(笑)。

田口:そしてもうひとつのB革命が「ブロンソン革命」。『さらば友よ』という映画で、ブロンソンは二枚目の大スター、アラン・ドロンと共演してるんですが、二枚目のアラン・ドロンより“ぶちゃむくれフェイス”のブロンソンのほうが断然カッコよく見えたんですよ。そこで彼が「男は生き方、佇まいによっては二枚目なんかよりカッコよく生きていけるんだ!」と教えてくれたんです。そういう発明というか、発見をもたらしてくれたのがブロンソンだったんですよね。

みうら:いわば“ぶちゃむくれ革命”ですよね。だけど、ブルース・リーはいまだにレジェンドとして語られている一方、ブロンソンはまったく語られていないと。そこで「ブロンソンの思想とカッコよさを今こそ伝えていかないと!」と思ってふたりでブロンソンズを結成したんです。

ブロンソンズ

「ブレない生き方がカッコいい」


――なるほど。では具体的にブロンソンにカッコよさを感じた部分ってどんなところなんでしょう?

田口:映画で共演するヒロインはかならず奥さん(ジル・アイアランド)だったりとか、息子を音楽担当に起用したりとか、監督はいつも御用達の同じ人たちだったりとか、ブロンソンは家族第一主義で芯がまったくブレてないんですよ。それに、若いころはアクションで鳴らした俳優でも年をとると演技派に転向したりするもんですけど、ブロンソンは70歳を過ぎてもバリバリのアクション映画で主演こなしてましたからね。そういうキープオンな生き方、彼の“男気”が逆にカッコいいなと思ったんですよね。

みうら: 70歳になられてもスタントマンがついていないから、銃弾をガンガン撃ち込まれても、ゆっくり歩いて逃げるんですよ。普通なら考えられない『マトリックス』みたいなことが起きてたよね。それはもうブロンソンしか許されない領域ですから。

――そうして’94年に『STUDIO VOICE』の連載としてスタートしたのが、ブロンソンを“降臨”させての人生相談だったわけですね。

みうら:降臨させての人生相談というのは某宗教団体より早かったですから(笑)。画期的ですよ。相談に対して「ブロンソンならきっとこう言うだろう」ということを、彼を降臨させて言うスタイルですから(笑)。

田口:不思議なもので、降臨させての人生相談だと、普段は言えないようなこともズバッと言えたりするというね。

ブロンソンズ――その後『STUDIO VOICE』の休刊によりブランクはありましたが、’12年からは『POPEYE』にて連載が復活しました。

みうら:復活しても、我々の悩みも答えもほぼ前回と同じ。ループ・オンでした(笑)。

田口:結局、悩みも答えも「普遍」だったってことですよね。我々もブレてなかったということです(笑)。

みうら:連載がなかった間も、僕が原作の映画をトモロヲさんが撮ったり(『アイデン&ティティ』、『色即ぜねれいしょん』)ブロンソンズ活動は続けてましたから。

田口:映画のクレジットに「ブロンソンズ」とドーンと入れてもらおうとしたら、プロデューサーに止められましたけどね(笑)。その他にも、“飲み屋活動”は続けてましたね。

みうら:それはもうふたりで細々と続けてましたから。未発表の“飲み屋対談”はいくらでもありますよ(笑)。

ブロンソンズ
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男気の作法 ブロンソンならこう言うね。

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