SPA!の表紙に出たことも……
――過去には、「ブロンソンズ」として『週刊SPA!』の表紙に出ていただいたこともありました。
『週刊SPA!1997年5月14号』にて表紙を飾ったブロンソンズ
みうら:飲み屋でね、当時の編集長に「出してよ!」って直談判ですよ(笑)。最終的には向こうも「わかったよ出してやるよ!」って折れてくれて。単行本が出るとか新譜が出るとか、告知すべきものは一切なかったし、表紙に出ただけでインタビューもなかったですから。ただ我々二人が満足しただけという(笑)。
田口:さすが“ひとり電通”(笑)。でもこの後、表紙を観て自動車のCMの話がきてますから。この格好でブロンソンの往年のCMみたく「う~ん満足」って言う演出でしたよね(笑)。
みうら:トモロヲさんはその頃ペーパードライバーだったし、僕は免許すら持ってないのに車のCMに出るっていうね(笑)。ちなみにこのとき被ってるテンガロンハットは、今日被ってるものと一緒ですから。
田口:20年で時代はいろいろと変わったけど、ブロンソンズは帽子ひとつ取っても変わってないというね(笑)。
みうら:衣装もブレないから物持ちもいいんですよ(笑)。
「ブロンソンズのせいでブロンソン出演作の価値が高騰していた」
――ブロンソンの作品を観返すことはあるんですか?
みうら:ふたりとも、ブロンソンの作品はいっぱい持ってますからね。我々の活動のひとつとして、中古ビデオ店を漁ってブロンソン関連の作品を見つけたら即買いするというルールがあったんですよ。あるとき僕が下北沢に行ったら、普通は一本1980円とかとかなのに、ものすごい高値が付いてるブロンソン作品があったんです。「これは他にもブロンソンマニアがいるんじゃないか!?」と思ってたら、トモロヲさんが買ってたというね(笑)。
田口:二人で奪い合うように買ってたから、お店も「出したらすぐ売れるから値段上げてもイケるんじゃないか」と思ったんだと思います(笑)。二人で首を絞め合ってたんですよ。
みうら:そうやってブロンソンの作品を観返したり、掘り返したりしていくうちに、最初にトモロヲさんが言っていたようなブロンソンの生き様とか、方程式がさらに見えてきたんです。「ブロンソンの男気こそが、現代に欠けているカッコよさなんじゃないか」ってね。
田口:ブロンソンズには「女房を愛し尽くせ。ファミリーは命をかけて守れ。外見を超える男気を持て。仕事は選ぶな。たまったら出せ(中で)」という“ブロンソン五箇条”というのがあって、このブロンソンの教えを守り、普及させていくことが我々の使命なんですよ。
みうら:何度も言うけど、たぶん我々しかブロンソンの話をしてないから、これは責任重大ですよ(笑)。
(取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/時永大吾)
【ブロンソンズ】
みうらじゅん氏と田口トモロヲ氏、ともに多岐にわたって活動を続ける二人がチャールズ・ブロンソンの男気に憧れて結成したユニット。’95年に単行本『ブロンソンならこう言うね』(ごま書房)、’97年にアルバム「スーパーマグナム」を発表。現在は雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)にて「ブロンソンに聞け RETURNS」を好評連載中。昨年からは新メンバーとしてロックバンド銀杏BOYZの峯田和伸も加入。『POPEYE』での連載をまとめた新刊『
男気の作法 ブロンソンならこう言うね』が現在発売中