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キレて夫をグーで殴っていた女性漫画家が気づいたこと

 依存症は、酒や薬物などの物質が引き起こす印象が強いが、近年では、本人の意思の問題と思われてきた痴漢や万引などの行為も、治療が必要な依存症と捉えられている。“新型依存”とも言うべき新しいケースは次々と増え続けている。

“家族にキレる”性格

“家族にキレる”性格も依存の一種だった!?


 前回紹介した「片付けられない依存」や「遅刻依存」は、単に本人の性格や心がけの問題では? と思う人も多いだろう。だが、“夫にだけキレやすい”という癖を過去に抱えていた漫画家の田房永子氏は、こうした性質も実は依存の一種では、と考えるようになったという。

「痴漢や万引といった依存症は、理性や努力ではセルフコントロールできない衝動の問題。私のキレ癖も、まずは衝動の原因を掘り下げる必要があるのではないかと思ったんです」

田房永子氏

田房永子氏

 田房氏はキレる原因について考えた結果、他の依存症と同じく、ストレスや心の傷から自分を守るための防衛行為であったことに気づく。

「このままではダメだと、さまざまな治療やセラピーに通った結果、行き着いたのがゲシュタルトセラピー。これは、納得できていない過去や、抑圧されている感情に注目すると人は癒やされると考え、その過去を再現したり感情を味わい尽くすことで症状を和らげるというもの。私の場合は、幼い頃に母親から理不尽なことで自己肯定感を下げられたことへの怒りが原因でした」

(c)田房永子/竹書房

周りの声や状況ばかり優先していると、自分の心の声を無視してストレスが溜まっていく(c)田房永子/竹書房

 このようなストレスへの対処行動を解消するには、症状として表れた“状況”ではなく、自分の“心”にアプローチするべきだと氏は指摘する。

「人には、『仕事をサボりたい』といった“アンダードッグ(内なる欲望)”と、『サボってはいけない』といった“トップドッグ(外からの価値観)”が存在します。衝動が暴発してしまうときは、トップドッグと同じ強さでアンダードッグが反発して助けを求めているんです。そんなときは状況ではなく、自分の心にピントを合わせて、衝動自体を落ち着かせてあげること」

 行為を責める前に、まず自身を振り返って心を見つめてみよう。

【田房永子氏】
漫画家。’00年デビュー。著書に『キレる私をやめたい 夫をグーで殴る妻をやめるまで』(竹書房)、『母がしんどい』(KADOKAWA)など

― 急増する[新型依存症]が危ない ―




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