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乱高下する仮想通貨相場を株取引と比較してみる[コラムニスト木村和久]

持ち続ける

 仮想通貨の初期段階で買って、充分利益があるし、失っても怖くないという方はぜひ持ち続けましょう。さらに相場が大化けすることもあり、税金を払っても「億り人」になれるかもですよ。  悠々自適の方は1割もいないでしょう。多くは「ミセス・ワタナベ」状態です。ミセス・ワタナベとは、英国でよく言われた、小口の個人FXトレーダーの総称です。日本は主婦が昼休みにFXで稼いでるみたいだと、10年ほど前に報道されたのです。それが転じて日本では「おばちゃんが取引を開始する時点で、全員参加の祭り状態だから、相場のピークは終わり」という意味でも使われます。  つまりミセス・ワタナベが登場したら、気をつけろということです。仮想通貨は若者が一斉に飛びつき、ミセス・ワタナベ状態となり、相場が終焉してしまいました。もちろん第二、第三の相場形成の可能性は今後ありますが、とりあえず第一ラウンド終了ってとこですか。  この状況で高い価格で買ってしまい、俗に言う「梯子を外された状態」なら仕方ありません。このまま「鬼ホールド」する、すなわち「塩漬弥栄子」(塩月弥栄子先生の名から拝借)にしておくのが、手っ取り早いです。  いてもたってもいられない人は、仕方ありません、動きましょう。ただし、責任は持ちませんよ。どうやるか、2つの方法を紹介します。けど、どれもビギナーには向いてません。こういうテもあると理解されたし。 ①ナンピン買いをする  ナンピンは「難平」あるいは「何品」とも書きます。つまり相場が下がったときに買い増して、平均購入額を下げる戦法です。仮想通貨の購入額が100万円ならば、50万円に下がったときに買います。さすれば、75万円ぐらいに戻れば、マイナス解消、あるいは利益が出るというわけです。  ただし「下手なナンピン、けがのもと」と言われているように、ナンピン買いのタイミングが悪いと、そのまま30万円ぐらいに下がり、ますます損をすることもあります。 ②売りを仕掛ける  売りを仕掛けるというと、初心者にとって理解不能の取引で、最初はエアーかと思ってしまいます。というのも「先に売って、後から買う」取引だからです。例えば100万円の相場で、売りを仕掛けたとしましょう。これが70万円に下がれば、30万円の利益となります。仮想通貨ではFXと同様にレバレッジ取引が可能なので、売りを仕掛けることができます。  株では「空売り」とも言いますね。参考までに売りを仕掛けた有名な映画があるので、紹介しておきます。2008年のリーマンショックで空売りを仕掛けてサブプライムローンの暴落を待ち、巨万の富を得た実話映画が「マネーショート」(2016年)です。サブプライムローンは崩壊すると信じつつも、しばらくはローンが絶好調で、相場はうなぎ昇り。映画の途中、見てて胃が痛くなりそうでした。空売りはマジ怖いです。私も何度か試しましたが、生きた心地がしませんね。  というわけで、現在、仮想通貨相場は「終わりの始まり」状態です。第二幕の材料を待ちましょう。消えた580億円がどうなるか、その動き次第ですね。
木村和久

木村和久

■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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