家庭料理にイノベーション! プロの技を再現できるプロフェッショナル調理家電
道具があってこそ、生み出せる味がある――家メシやバーベキューに関心が高まるなか、味覚の新たな扉を開く、マニアックな調理家電の魅力に迫る。
今、家庭料理にイノベーションの波が押し寄せている。その代表例が低温調理だ。タンパク質の変性をコントロールし、食材をジューシー&風味豊かに仕上げる技法で、もともとはレストランでプロのシェフが駆使していた。これが、家庭へと広まっているのだ。
「肉を美しいルビー色のレアに仕上げるには技術と経験が必要です。ミシュランの星つきフレンチレストランのなかには、肉をオーブンに出し入れしながら、3時間以上もかけてじわじわと火を通す店もあります」
そう語るのはフードアクティビストの松浦達也氏。その低温調理を家庭で実現するツールが静かなブームを呼んでいるという。
「これまで、家庭での低温調理は、炊飯器の保温モードを利用するのが一般的でした。しかし、約70℃前後と高温なうえに細かな温度調整もできません。肉の火入れは1℃の違いでも食感が大きく変わります。低温調理機は、温度を設定して放置するだけでこれまでにないクオリティの料理が出来上がる。これは画期的でした。調理の“按配”を数値で把握できるので料理初心者にもおすすめですよ」
普及の背景には、低温調理器の低価格化がある。
「ブランドとしてはアメリカのAnovaが有名です。日本に並行輸入品として入ってきたのは4~5年前。当時の実勢価格は5万円以上と高価でした。2年ほど前から相場も落ち着き、2万円程度で手に入るように。現在では、1万円前後の製品も複数登場しています」
飲食店でも活用されており、特にラーメン店で顕著だとか。
「今、“醤油ラーメンの上にピンク色のチャーシュー”という店が非常に多くなっています。そのチャーシューは、まさに低温調理の典型的な仕上がりですね」
低温調理器だけでなく、小型燻製器や赤外線ロースターのように、マニアックな調理機器が家庭向けに多数リリースされている。それだけ“家メシ”への関心が高まっているのだろう。
「外食産業では多様化・細分化が進んでいて、他店との差別化が最重要課題になっています。そこで、ウリのひとつとして、料理の素性や素材だけでなく、“アメリカ式本格バーベキュー”といった料理法も取り上げられるようになり、プロ御用達のさまざまな特殊調理が認知度を高めています。燻製なども、本来はニッチな趣味と言えますが、ここのところ興味を持つ人が増えてきました。焼肉奉行のように、焼肉店で“焼き加減”にこだわる人も目につきますね。ここ数年、アウトドアやバーベキューが人気なこともあり、肉にまつわる知識や関心はより深くなっていると思います」
プロの技術を家庭で再現するアイテムがアツい!
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