更新日:2022年12月10日 18:55
仕事

自信がない「落ちこぼれ人材」こそ、組織で結果を残せる――歌舞伎町・10億円キャバ嬢の教え

ついにAさんにも裏切られ…「もう誰も信じない」

 そして、数か月が経ったときのこと。Aさんに「内野さんは俺が特別にレストランに連れて行ったことをみんなに話すから、もう信用できない。このままだと店の空気が悪くなるから辞めてほしい」と言われてしまいました。  このショックは大きかったです。信じていた人に裏切られたショック。大好きだった人に見放されたショック。「もう誰も信じない」と思いました。それからはさらに心を固く閉ざすようになり、「どんな人でも絶対に信用するのはやめよう」と心に誓いました。  それからは、どんどん悪循環に陥っていきました。学校でもアルバイト先でも居場所が見つけられず、友達にも、同僚にも、お客様にも嫌われるようになりました。今考えると、自分のことを「ダメな人間」だと思っていたから、似たような人を見つけると、悪口を言いたくなる。自分より優れた人を見ると、嫉妬からまた悪口を言いたくなる。自分のことが嫌いだから、人も大嫌い。  自分のことを全然信頼できないから、人も信頼できない。彼氏ができても、自己嫌悪から暴飲暴食や自傷行為に走る私を見兼ねて責任を感じ去ってしまう。  と、ますます出口が見えない闇に私は入っていきました。

上京先のキャバクラの「辞めさせない経営」に衝撃

 広島の高校を卒業して上京した私は、こりずに再びキャバクラで働きはじめました。その会社は広島と銀座に店舗があり、社長のBさんは広島と銀座を行ったり来たりしていました。  Bさんの口癖は、今もはっきりと覚えています。 「店長がいるから、銀座の店をやっていける。ありがたいなぁー」  キャバクラという水商売ですから、スタッフ間のトラブルはつきもの。店長の風紀(=黒服とキャバ嬢が付き合うこと。キャバクラではキャバ嬢は商品なので商品を食い散らかしたという見解になりご法度)が発覚したときのことです。  なんとBさんは「女にモテたくて黒服やってるんだ。『店長』って肩書きがあればそりゃヤリたいよな。モテるのは店長になった特権!」と、まったく店長をとがめなかったのです。  さらに驚いたのは、経理の女性の横領が発覚したときのこと。 「お金が目の前にあったら取りたくなっちゃうよなぁ。目の前にお金を置いといた俺が悪い」と、まったく彼女をとがめないのです。
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自信がないから仕事の原動力が生まれる
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新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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