「何も言われていなかった…」ハリルホジッチ前監督は日本人特有の気質に失望した
4月9日、日本サッカー協会からサッカー日本代表監督の座を電撃的に解かれたヴァヒド・ハリルホジッチ氏(65歳)が、27日、都内の日本記者クラブにて会見を行い、本サイト記者も取材が許された。
W杯目前の解任劇だけに会見実施発表直後から、ハリル氏が語る言葉に注目が集まった。
開始時刻1時間前には会場の約8割が埋まり、主催者の最終発表では取材者332人、約30台のTVカメラが集まった大イベント。開始直前にはサッカー日本代表元監督フィリップ・トルシエ氏の通訳で現在もメディアで活躍するフローラン・ダバディ氏が入場。ひな壇の真正面に陣取ると「予想外のサプライズ発言があるのでは?」と周囲は一瞬ざわついた。
ほぼ定刻の16時にハリル氏は入場。進行役1名と2名の通訳(専属通訳で再来日時涙を流した樋渡群氏は同席せず)と合計4人で登壇した。その表情はいたって変わらず、憤怒や焦燥を含んだようには見られなかった。はじめに進行役から本日の式次第が発表され、ハリル氏の会見30分、質疑応答30分と伝えられた。サッカーの世界を取材する猛者たちはそんな時間で収束するはずもないのは知っていたが……。
メディアが喜ぶ過激な言葉や、噂に流れる不満分子たる選手名が出ることはなかったが、熱弁は当初30分の予定を大きくオーバーし、進行役から「そろそろこの辺で……」と切り出されるまで約50分も続いた。その中で彼が何度も語ったポイントは、大きくまとめると次の3つになる。
1つ目は「自身は監督業に全力を尽くしていた」こと。
「チームスタッフとは毎週50人の選手のレポートを作って、そのチェックも怠っていなかった。」と内情を明かし、「過去5大会のW杯アジア最終予選において、初戦で敗れて初めて本大会出場を決めた国(しかも首位通過)」「国際AマッチにおいてUAEに初めてアウェイで勝利」など在任中の好実績を強調した。また、選手・スタッフからハリル氏への励まし、(とくに代表DF・槙野智章ら)惜別のコメントも読み上げられ、代表監督として3年間尽くしてきた氏に対し、協会の態度はリスペクトがないと語った。
2つ目は「代表チーム内のコミュニケーションに問題があるとは思っていない」こと。
ハリル氏は「常に選手とはコンタクトを取り続けており、コミュニケーションは円満」と語り、2月には吉田麻也、長友佑都、長谷部誠らベテラン欧州組とコミュニケーションを取り、そこでも問題がなかったことを説明した。当時の技術委員長で、現監督の西野朗氏とのコミュニケーションは少なかった点は認めつつも、解任の理由がコミュニケーション不足と聞いた時「誰と?」と尋ねたが明確な回答はなく、「全般的に」という答えを消化し切れずにいた。
ハリルが語った3つのポイント
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