女子が一瞬でドン引いた男の部屋「ジャンプコミックだらけの本棚に不安を…」
さらに、他者配慮に欠けている彼の姿も目についてきた。子供のようにかわいがっている仔犬をなでているが、仔犬が明らかにいやそうな態度を見せていたのだ。
「拓哉くんは部屋で大量のタバコを吸っていたので、犬は煙にやられて苦しそうに咳込んでいましたが、彼は意にも介さない。バーテンダーなので朝方に帰ってきて、夕方まで遮光カーテンを引いた部屋で眠り、日が沈む頃に仕事に出かける飼い主なわけです。あまりにも仔犬がかわいそうだと思いました」
夜が深まるにつれ、話題は人生相談という踏み込んだものに。紗理奈さんは当時転職を考えており、その悩みを相談すると、彼は次のようにアドバイスした。
「先のことを考えたらあかん。考えるから卑屈でネガティブになるんやって!大切なのは今やろ!それに……なんか努力が足りひんわ自分」
将来に備えて転職を考えているのに、この人は何を言っているのだろう……。ピント外れな拓哉くんの回答に紗理奈さんは唖然としたという。「では、拓哉くんは今後の人生をどう考えてるの?」と彼女が聞き返したところ、あまりにもラフなライフプランをプレゼンされたのだ。
「オレは今は雇われの身やけど、もうすぐ地元に自分の店を開くつもりや。なんの店かは決めてないけど……なんかやるわ!一度きりの人生、成功したいしな!」
※ ※ ※
朝4時。買い込んだ酒はすべて空になった。部屋はつまみで買ったスコーンとタバコの臭いが充満しており、拓哉くんもウトウトしている。すると、友人のあいちゃんが先に帰ると言いだした。一緒に帰りたかった紗理奈さんだったが、どうしても眠くなり、一眠りしてからここを出ようと思ったという。
だが、それが事件の始まりだった。
「朝5時半。起きると少し寝癖が出てて最悪な状態でした。私も『帰るね』と部屋を出ようとした瞬間、拓哉くんがいきなり後ろから抱きついてきたんです。『あいちゃんようやく帰ったな。ずっとこうしたかったんや……』って」
心の中では「いや、自分もう誰も愛せへんって言ってたじゃん!」と突っ込んだ紗理奈さんだったが、デニムのショートパンツ越しに股間を触られキスされた瞬間、「ま、いっか」とイケメンゆえに身体を許してしまった。
「バーテンダーのセックスはクセがなくつまらないと聞いていましたが、その通りでした。仔犬がキャンキャン鳴く中、私もそれなりにキャンキャン喘いで、一回だけの関係となりました」
若い頃は、その容姿や華やかさで女に困ることのないと言われる「3B」職。しかし、彼らのなかには未熟な夢追い人も多い。恋も、口説きも、年収も三流のまま。そんな彼らに辟易する紗理奈さんのような女性は今後も後をたたないのだろう。<文/武にちほ>
イケてるのは顔だけ。的はずれな転職相談の回答に辟易
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