雑学

チョコボール向井が切り開いた「顔が見えるAV男優」という道

人間のあくなき欲求である「エロ」は、いかにして進化を遂げてきたのか? 今日の発展に多大な影響を与えたキーパーソン達を厳選し、ここに紹介していく。

「顔が見える男優」としてその立場を確立する


 AVを支えてきたのは女優だけではない。彼女たちを輝かせるために陰に日向に汗を流してきたのがAV男優たちだ。AV黎明期の男優は、俳優やエロ本の編集者などが務めることが多く、あくまでも本職ではないという意識が強かった。それを変えたのが、’88年に男優としてデビューした“ゴールドフィンガー”の加藤鷹氏であり、その翌年に登場したチョコボール向井氏であった。

チョコボール向井

チョコボール向井氏

「プロレスラーになりたくて新日の練習生になったんですが、練習がキツくて一週間で夜逃げしてしまいました。その後、たまたま素人男優募集の広告を見て応募したのが男優になったきっかけです」

 “デビュー戦”は樹まり子が20人ほどの素人を相手にするという作品だったが、その中で一人だけ気後れせずに勃起した向井氏は見初められ、男優としての活動を開始。鍛え抜かれた肉体と、女性を抱え上げながらセックスする「駅弁」体位がトレードマークとなり、女優以上に注目される男優として大きな話題となる。『裏・人間廃業チョコボール向井』『加藤鷹の痴女仕置人。』など、男優の名前を冠したAV作品が発売されるなど、彼らの活躍以前には考えられないことだったのだ。

「全盛期の’95年頃は、休みなんてほとんどありませんでした。朝から晩まで撮影して、ギャラは手渡しだから、銀行にお金を預けに行く時間がなかなかなくて現金がどんどん溜まっていくんです。たまの休日に外車買いにいく、みたいな生活でしたね」

 ’00年代に入ると、AVは男優の顔を映さない撮り方が主流になり、一旦、個性的な男優の出番は減っていった。しかし、近年また、しみけん、森林原人、黒田悠斗といったトップ男優たちはテレビ番組や文筆業など幅広い分野で活躍。向井氏らが切り開いた世界で後進たちは活躍を続けている。

【チョコボール向井】
’66年、群馬県出身。’89年にAV男優デビュー。’07年の引退までの出演本数は6000本を超える。得意技は女性を抱え上げながらセックスする「駅弁」。プロレスラーとしても活躍し、「駅弁固め」などの技を披露していた。現在は幡ヶ谷で『チョコボールファミリー』を経営

― エロを変えた日本人 ―




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