達人の芸を見ると自分の足りない部分に気づく…新たな可能性を見つけるために必要なこと
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第52回
先日、友人に誘われて「ビルボードライブ東京」に行ってきました。ビルボードライブ東京は六本木東京ミッドタウン内にあるクラブ&レストランで、豪華な食事を楽しみながら、世界中のアーティストの演奏を堪能できます。会場は3階から5階までを貫く吹き抜け構造で、窓の向こうには都会の夜景が広がります。スタッフは全員スーツ姿で決めていて、雰囲気も抜群です。
この日のアーティストはクリス・デイヴというジャズドラマーでした。私はジャスには疎く、名前も始めて知ったのですが、現代最高峰のドラマーとして絶大な支持を集めているそうです。今年一月に「クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ」という1stアルバムを出したばかりで、今回はその来日ツアーという位置付けです。
最初、誘った友人は「かなりマニアックだから楽しめるかな」と私のことを心配してくれていました。しかし演奏が始まると、すぐにステージに引き込まれて目が離せなくなりました。確かにメロディはほとんどなくて、私が普段聞いている音楽とは全く違います。しかし速くなったり、ゆっくりになったり、止まったり、目まぐるしくリズムが変わるのに、ドラム、ベース、ギター、キーボード全ての楽器がまったくズレません。普通なら合わせられるはずのないタイミングがなぜかぴったり合っていて、「ありえないことが起きているんだな」と終始感動しきりでした。
演奏の合間に何度かボーカルが合いの手を私たちに求めてきましたが、それはさすがに無理というものです。会場は大いに盛り上がっていましたが、そこだけみんな自信なく、小さく拍手をしていました。友人は昔プロを目指して、バンドでドラムを叩いていた経験があります。演奏後、彼に「経験があればあのリズムに合わせられるの?」と聞いたら、「いや無理」と答えが返ってきました。演奏経験があってもそうなのですから、「何かとんでもないことが起きているんだな」という認識で、その超絶技巧を楽しんだのは間違っていなかったのでしょう。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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