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神社はなぜパワースポットなのか。絶景が人生を変える仕組み

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第53回

 先日、神奈川県にある箱根神社に参拝してきました。来月から始める仕事の成功祈願が目的です。いわゆるご利益でいうと「商売繁盛」や「事業繁栄」にあたると思います。しかし、私は参拝や祈願といっても、「神様、どうか叶えてください。お願いします」とは言いません。ただ「自分はこういうことをするつもりです」と宣言しに行きます。

箱根神社

箱根神社

 自分の考えを言葉にするのは、とても大切な過程です。頭の中でなんとなく考えているだけでは、せっかく思いついたアイディアもすぐに忘れてしまいます。ですから自己啓発では「自分の願望や目標は紙に書け」というアドバイスが何十年も繰り返されています。つまり神社参拝と目標設定は同じもの、ということです。

「それならわざわざ神社なんて行かないで、自分の家で目標を決めればいいのでは」と思うかもしれません。しかし神社には神社ならではのプラスアルファがあります。それは歴史です。箱根神社のような観光地にもなっている大きな神社は特にそうです。

武将から経営者まで信仰を集める箱根神社


 箱根神社は「関東総鎮守」として崇められてきた名社です。古くは征夷大将軍に任ぜられた坂上田村麻呂が、東北制圧に向かう前に戦勝祈願として矢を奉納しています。また源頼朝、徳川家康など多くの武将たちが信仰し、昭和以降は実業家や経営者に崇敬されるようになりました。西武グループの創始者、堤康次郎が熱心に信仰していたのは有名な話です。「箱根を背にするもの天下を制する」なんて言葉まであります。

 彼らがなぜ箱根神社を信仰するのか。実際に足を運んでみると、それがよくわかります。箱根神社の元宮のある標高1356mの駒ケ岳山頂は、足元には芦ノ湖、北西には富士山、東は遠く房総半島まで関東全体を一望できます。そうした絶景を前にすると、自然と特別な想いが湧き上がってきます。

「これまで参拝してきた多くの武将、実業家が同じ風景を見てきたのだ。彼らもいま自分が見ている風景を見て、同じ想いを抱いたに違いない。だから自分も頑張ろう」という想いが強くこみ上げてきます。その風景と歴史に力を借りたモチベーションこそ、ただ自分の家で目標設定しただけで済ませてしまうのとの違いです。

 数年前、女性の間で神社がパワースポットとして流行りました。恋愛にご利益があるとされる神社に多くの人が詰めかけ、それに対して「神社についてよく知りもせず、パワースポットとして参拝するなんて軽薄だ」という辛口な指摘もありました。しかし「特別な風景を前にすると、特別な感情が湧き上がってくる」という体験を実際にすると、実はその方が正しいのではないかと思えてきます。つまり神様がいるからパワースポットなのではなく、パワースポットだからそこに神様がいると考えるようになった、ということです。

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特別な空間に足を運んでみる

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