銀座のクラブのお客様から学んだ「失敗を失敗で終わらせない方法」
私が銀座のクラブに「辞めたい」ことを伝えたところ、「別に辞めても構わないけど、負けたままで辞めるのも悔しいだろ。どうせ辞めるなら1回くらい指名を勝ち取ってから辞めてくれ」と言われました。
どうしたら指名が取れるのか全くわからないままに辞めさせてもらえない日々が続きました。
ある日のこと。たまたま同郷の広島出身のお客様が来て、私のことを指名してくれるようになりました。
今考えると、これは初めての成功と考えればよかったのですが、その時の私は自分に厳しくて「これはまぐれだから実力じゃない」と思ってしまったのです。
結局、その同郷の広島のお客様は口説いてきたのを断ったら、指名してくれなくなりました。
その後もちょこちょこ指名のお客様ができ始めてきたにもかかわらず「こんな私ではダメだ」とさらに自分を追い込んで、グルグルと指名が取れないことを思い悩み、だんだん夜も眠れなくなっていきました。
イライラして当時の彼氏にあたりまくって、とても迷惑をかけたと思います。
ある夏、お客様と黒服、店の女のコで海に行きました。そのお客様はママのお得意様で、彼がジェットスキーを買ったというので、みんなで乗せてもらうという企画でした。すごく楽しかったのを覚えています。
しかし、遊び終わって帰ろうとした時のこと。トレーラーにジェットスキーを格納して車で引っ張ろうとしたら、車が砂にはまってしまい動かないのです。
ウンウンと車はうなるだけで全然動きません。私は運転もできないし、力もないので、ただ途方に暮れながら彼らを見つめていました。
すると、お客様は車とトレーラーを離して車を砂が深くないところに移動して、黒服にジェットスキーを海に戻すように言いました。そして、その場所でもう一度、トレーラーにジェットを乗せて車で引っ張ろうとしました。でも車は全然動きません。
しかし、お客様は全く焦ることなく「もう少しだ!」と言って、また車とトレーラーを離して、車だけを前に移動させてトレーラーを動かし、トレーラーのベルトでジェットを海から引き上げながら車を引っ張りました。
すると、ほんとにちょっとずつでしたが、車とトレーラーとジェットスキーが動きはじめたのです。
「これはまぐれだから実力じゃない」
転機となった、あるお客様との出会い
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
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