タイに移住した日本人家族「東京で年収520万円の暮らしをしていた頃よりマシ」
海外で暮らす日本人の数は135万人に上り、過去最多に。最近は働き盛りのサラリーマン移住も増えているという。そこで今回、日本人の平均年収500万円の海外暮らしを検証。そのリアルな生活レベルに迫った!
移住しやすい国とたびたび評価されていたタイだが、実際のところ生活はどうなのだろうか? タイに親子3人で移住して6年、バンコク郊外の日系企業の工場で働く下山修二さん(仮名・43歳)に話を聞いた。
「日本に住んでいたときの仕事は機械部品を扱う中小企業の営業マンで、年収は520万円。タイに来たときは年収100万バーツ(342万円)からのスタートでしたが、子供はまだ未就学児でしたし、物価格差がある分、生活レベルは日本よりもちょっとですが上がったと思います。嫁も『月の食費が移住前の3分の2に減った!』ってすごく喜んでいました(笑)。食事が子供の口に合わなかったらどうしようみたいな懸念もあったんですが、今は茹でた鶏肉をご飯の上にのせたカオマンガイや麺料理のクインティアオ、タイ風の焼き鳥とかが好きみたいです」
現在、子供はバンコクの日本人学校に通っており、「授業料が高い」とボヤくが、塾に週2回とサッカー教室に週2回通わせている。
「現在、年収は120万バーツ(410万4000円)にアップ。それでも日本在住時よりまだ100万円以上安いですが、給料だけで生活できていますし、不満はありません。生活がラクになったという実感は薄いけど、ボーナスを使って帰国や大きな買い物もできますし、東京で年収520万円の暮らしをしていた頃よりはマシだと思います。プールやジム付きのマンションに住めるなんて、日本にいるときは考えもしませんでしたし(笑)。タイ国内での転勤の可能性があるので、持ち家にはしてないんですが、ちょうどバンコク市内は不動産相場が上昇を続けているので、転売目的で600万円くらいの物件を手に入れるのもありか、なんて考えたりもします」
また、夫婦ともに旅好きということもあって東南アジア各地の小旅行に出かけることも多いそう。先日、出かけた2泊3日のカンボジア旅行も出費はわずか2万円程度だったというから驚きだ。
「周辺国や日本であればLCCを活用することができるので快適です。あと、衣料品も市場ならシャツ1枚が50バーツ(171円)とかで購入できる。日本では安いと思っていたユニクロがタイでは高級ブランドかと錯覚するほど。こっちは人件費が安いのでローカルな床屋さんならカットが100バーツ(342円)、マッサージも1時間250バーツ(855円)と日本の激安もみほぐし店の3分の1以下だし、ホント快適ですよ」
とはいえ、移住に寛容な妻がいればこそだろう。
年収は100万円下がるも住宅費・食費は3分の2に
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