恋愛・結婚

女性1500人と交わっても…アラフォーナンパ師の「満たされない人生」

 そんなセル君の気持ちが、でも僕にはわかる。これまで会ってきたナンパ師の多くは、胸のなかにぽっかりと空いた穴を抱えている。  この連載の前回でも書いたが、ナンパはその穴を埋めようとする行為なのだ。ぽっかりと空いた穴は、何人の女性と関係を持っても変わらない。  でも、だからこそ数を追ってしまわざるを得ない。

1500人斬りを達成しても満たされない理由

憂鬱 自分の穴ばかり見つめているから、ナンパ師は女性の気持ちを想像することができないのだろう。ナンパについてくる女性も、多くの場合ぽっかりと空いた穴を抱えているというのに。  1500人斬りを達成したナンパ師と聞くと、羨ましくてたまらない人がいるだろう。もちろん激怒する人も。  だがその内実は、得体の知れない穴を胸に抱えた者同士の、下品なくらい正直で、虚しい営みに他ならないのだ。  約10年ナンパを続けるうちに、セル君のゲット数は1500人に及んだ。ちょっとした公民館が満杯になるくらいの人数だ。  40歳近くなったセル君は、ここ1年ほどナンパから遠ざかっている。  代わりにはまっているのは出会い喫茶だ。 「ほんとにレベル高い子がくんだよ。ナンパでゲットするときは補正がかかるからさ、たいしたことないのでも達成感あんだけど、出会い喫茶はまじかわいい。1万5000円から2万円くらいでそんなのとエッチできんだよ。月に8人くらいはいってる」  セル君は鼻の穴をふくらませる。  贅沢極まりない趣味だ。月に10万円以上はエッチ代につぎ込んでいるということになる。
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ナンパは手段で、目的はエッチなのだろうか?
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