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F1後半戦「トロロッソ・ホンダに相性がいいサーキット」はどこなのか?

トロロッソ・ホンダに反撃の狼煙が上がった!

AUTOCLUB F1スペシャル 中団グループでは“優勝”! 我らがトロロッソ・ホンダは、シーズン前半戦最後のハンガリーGPでガスリーが6位入賞! しかもドライコンディションのガチンコ勝負のなか、周回遅れにならずにメルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルの3強に次ぐポジションを獲得。レースペースでは今季最高のパフォーマンスを見せてくれた。  しかし、第2戦バーレーンGP4位(ホンダF1復帰後最高位)、第6戦モナコGP7位、そして第12戦ハンガリーGP6位という3つの好成績はあったものの、下位に沈むことのほうが多く、速さでは万年最下位だったザウバーにも先を行かれ、振り向けばウイリアムズだけという厳しい戦いが続いた前半戦だった。  今回の6位は、トロロッソ・ホンダの反撃の狼煙となるのか?  ハンガリーGP決勝当日夜、メディアセンターで原稿執筆中の当コラムではおなじみの全戦取材F1ジャーナリスト米家峰起氏に、トロロッソ・ホンダの前半戦総括と後半戦への展望を聞いた。 ■ ■ ■ ■ ■ 担当A:速かったですね。たまたまですか(笑)。 米家:今ちょうどホンダの田辺さんのレース後囲み取材のテープ起こしをしてたんですが、クルマの仕上がりの良さが好結果につながったと言ってました。ハンガリーは全開率が低く、パワー感度が低い(パワーユニットの出力にあまり左右されない)ため、トロロッソ向きのコースではあるんですが、ここでしっかりとポイントを獲ってシーズン前半戦を終えたことは、光明であることは確かです。
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レース現場運営責任者 田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクター/1990~1992年にマクラーレン・ホンダでゲルハルト・ベルガー(左)担当エンジニアを務めた

担当A:ハンガリーGP前の数戦は、下位に沈みっぱなしでした。 米家:ガスリーに聞くと、ハンガリーの結果で、ここ数戦の問題点がクリアになったかといえば、決してそうじゃないという。ハンガリーはチームの予想より良かったけど、ここ数戦ダメだったときは予想より悪かった。予想が常に当たらないことが問題ですね(苦笑)。 担当A:毎戦出たとこ勝負みたいな。 米家:なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか、原因が明確なら問題はないのですが、トロロッソはクルマのイニシャルセッティング(初期設定)を外すと立て直しができない。外れたら外れっぱなし。トップチームは外すこと自体ほぼないですし、多少外したとしてもすぐ立て直してくる。中団グループ上位のハースやルノーだって大きく外すことはない。トロロッソはデータ分析がきちんと反映されていないので、当たったときと外れたときの振れ幅が大きすぎる。不安要素のひとつですね。 担当A:たまに当たると速い(笑)。 米家:中団グループは大混戦ですから、1周0.3秒違うだけで順位が大きく変動します。 担当A:クルマにはアップデートは入ってるんですか? 米家:第9戦オーストリアGPで新しいフロントウイングが投入されましたが、まだ使いこなせてない。ほかは第6戦モナコGPくらいからほとんど変わってないので、中団グループのライバルたちに後れを取り始めている。だからこそセットアップが決まらず、そのポテンシャルさえもフルに引き出せなければ、中団グループのなかで下位に低迷してしまうのは当然の結果です。 担当A:もうひとつ心配なのが、ハンガリーGP直前に、トロロッソの技術部門トップで車体開発責任者のジャームス・キーがマクラーレンに電撃移籍してしまいました。 米家:レース現場の運営には特に影響はないと思いますが、来年のクルマの開発には影響するでしょうね。技術部門を統括する存在を失ったダメージは小さくはないと思います。
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