お金

「考える消費」と「考えない消費」で差がつくお金の貯まり方

消費にメリハリをつけることが必要

 私たちは、数えようとしても数えきれないぐらいのモノを買って生きています。日用品、文房具、季節が変われば新品の服を買うなど……。ですから、パンのような無駄遣いが10点あったとしたら、極端に言えば年間70万円の浪費になる。そういう数字のレバレッジの恐ろしさを知っているから、正しくお金を使っている人はパン1つのレベルからケチるわけです。  たしかに、パンに限らず食の消費は、生きていくために必要です。しかも、お腹が減っているとき思考は弱くなりがちですから、ついつい高くついても楽な消費になってしまいます。  では、洋服の場合はどうでしょうか。  我慢できる消費のように思えますね。特に女性の場合なんかは「使える服がいっぱいあるけど新作、新色が欲しいから買う」とか「毎シーズンごとに新しいブーツを買う」なんていう目的が明確な人は多いでしょう。こういうエンターテインメントとしての消費において、買うということが「楽しみ」だった場合、「何かを買う代わりに、何を我慢するか」ってことも戦略の1つ、すなわちゲーム性があるわけなのですが、もしそれが、ストレス発散や衝動買いに走ってしまう場合は厄介です。  ろくに考えもせず、流行っている色だから、安いからこれも買っておこう、などという浪費に走ると、いつしか流行が過ぎた時に要らなくなったとしたら、パン1つどころじゃない無駄がドーンと発生しているはずなのです。  

衝動買いもたまには必要だけど……

 ストレスがたまった時に買い物をすると、ある程度、気持ちが満たされますよね。  ただ、やっぱり勢いで買ってしまうことが多いため、後になって「別にこれ買わなくてもよかったんじゃないか」「もっといい品を買っておけばよかったんじゃないか」と後悔してしまうこともあるのではないでしょうか。  このように、勢いで浪費をしてしまうと、短期的には幸せを得られるでしょうが、その幸せは買った時の一瞬で消え去ってしまいます。そうして、その要らないのに買った服は、いずれ部屋の場所を圧迫するゴミとなってあなたを悩ますものへと変化します。お気に入りの服は大事に扱われ、持ち主の女性のことをお姫様にしてくれるでしょう。しかし、お姫様になれなかった服は魔女になるしかないのです。金銭的にもマイナス、しかも捨てる苦労も発生する。結果的に不幸をもたらしてしまいます。  目の前の発散に走りがちなのは仕方ないにせよ、そこにうまく抗って、消費にメリハリをつける、というのが必要なのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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もう新品は買うな!

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