更新日:2019年08月02日 15:59
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もし我が子が発達障害だったら…公園デビューで知った周りの子との違い

公園デビューとともに周りの子との違いを認識

 モンズースー氏のほかに、発達障害の子供を持つ親たちはどのような兆候から我が子の特性を感じたのだろうか。現在、発達障害の子供を持つ親同士が集まる自助会も数多くあり、首都圏で活動する会のメンバー、太田早苗さん(仮名・40代)と濱野栞さん(仮名・40代)が経験を話してくれた。 「2歳くらいのとき、公園で会う同じくらいのお友達とちょっとどこか違うな、と感じました。言葉もほかの子より遅いし、なかなか目も合わせられなくて」(太田さん)  濱野さんの場合も、公園でほかの子との違いに気がついたという。 「知的な遅れはなかったけど、滑り台の列に並べなくて割り込んでどんどん行ってしまう。男の子ってこんなものなのか、とも思いましたけど、3歳半健診を受ける頃にやっぱりおかしいと気づきました。ウチの会に所属するほかの人からは幼児期の『逆さバイバイ』(手のひらを相手に向けず自分に向ける)の話をよく聞きます。相手の目線に立ってマネできず、手のひらが自分に向けられているから見たままに自分も手のひらを逆に向けてしまうのでしょう。もちろん『逆さバイバイ』だけで発達障害と決めつけるのは乱暴ですが」 大人の発達障害 現在、所属する会には高校生や大学生、成人した子供を持つ親からの問い合わせも増えているとか。 「発達障害の情報が増えているので『同じような境遇の人の話を聞きたい』と問い合わせが来ます。発達障害の特性自体も大変ですが、考えてあげたいのは自己評価の低下。周囲が追い詰めちゃうと失敗したときに自分を責めてしまう。できない理由を探って、社会に出るまでに自分は何が苦手でどんな手助けが必要なのかを知っておけるといいですね」(太田さん)  モンズースー氏も、グレーゾーンや発達障害と診断された子供を育てるうえでのアドバイスを話す。 「行政など受けられるサービスはきちんと調べたほうがいいです。定型発達の子供を育てるよりも手がかかって疲れることは多いと思います。たまに息を抜くためにもサービスを利用しましょう。楽をするのは悪いことではないし、自分の時間をつくるのがうまいお母さんのほうが、結果的に育児もうまくいってる気がしますね」  当事者の親だけでなく、周囲の人間もその意識は持つべきだろう。 【モンズースー氏】 漫画家。ブログがアメブロ総合1位を記録し、’16年にデビュー作『生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした』(KADOKAWA)を刊行して話題を呼ぶ。現在は続編である『入園編』が発売中で、来春には3巻も発売予定 ― 大人の発達障害診断リスト ―
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