仕事

キャバ嬢社長が味わった歌舞伎町の修羅場。「1億かけてもお前をツブす」と脅され…

とぼけて「オーナーは今いません」

内野彩華

内野彩華

 私は、迷ったあげく、このときも真正面に向き合うことを避け、のらりくらりかわすことに決めました。やくざが店に来ても、とぼけて「オーナーは今いません。言っておきます」と毎回、言っていました。  やくざもまさか25歳の私がオーナーだとは思わずに「日を改める」と言って帰っていきました。ヤクザがみかじめ料代わりに収める「おしぼり」や正月のしめ縄も、その方法でのらりくらりとかわしていました。  そのうち中国をはじめ、諸外国のマフィアが歌舞伎町に流入したり、前述した暴対法の影響もあって、こうした厳しい取り立てはなくなっていきました。私は最初から最後までみかじめ料を払うことなくいまに至っています。  よく男のお客様が「お金を貸してほしい」と頼まれて「男気」でお金を貸してしまい、返してほしいけど、なかなか言い出せない場面を目にします。私がもし同じ立場で「お金を貸してほしい」と言われたら、どうするか?

「男」という看板だけで生きるのは大変

「かあちゃんにお金、全部握られてるから貸したくても貸せないんだ」と断ると思います。  でもそれを男の人に言うと「男がそんなかっこ悪いことできるか!」と言われます。  もし私が誰かにお金を返してほしいと思ったら、恥も外聞もなく「◯月◯日までにお金返してくれなかったら私、お金がなくて会社倒産してヤバい! だからお願いします」と必死の形相でお願いします。でも、それを言うとまた「男がそんなかっこ悪いことできるか!」と言われます。  今の時代、「男」という看板だけで生きるのはとても大変です。男でも女でもいつも一本気に戦うのではなく、ときにはのらりくらりしたり、弱さを武器にしたりしながら、どんな手を使ってでも勝つこと。生き残るためにはこういう戦術も、ときには必要ではないでしょうか。 <TEXT/内野彩華>
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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