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「発達障害かも?」と思ったらどこに行けばいい? 当事者にきいた「病院選びテクニック」

発達障害

※写真はイメージです

当事者の間では「精神科ガチャ」という言葉まで

 なぜそんな“モヤモヤ”は生じてしまうのだろうか――。その背景として、まず「発達障害をきちんと診られない医師」が実態としてはかなり多いという点が挙げられる。  発達障害は比較的新しく見出された障害であり、日本の発達障害者支援法は2005年に施行されている。そもそも発達障害について教育課程で学んできていない医師も多いという。目の前の医師が診断基準の最新動向をフォローしているかどうかは、患者からすれば未知数なのだ。病院による診断の質のばらつきについては当事者たちの間でよく聞かれることで、「精神科ガチャ」といったスラングすらも出回っている。  また、そもそも診療時間が短くなってしまう構造があるのも、“モヤモヤ”を強める要因だろう。精神科の収入を計算する「診療報酬点数」は、診察時間が「30分」を超えると診療点数が上がるように設定されている。そのため、いわゆる「5分診療」にしたほうが、1人あたりの報酬を下げずに“回転率”を上げられる。短時間の問診を積み重ねても、正しい診断は見定められない可能性がある。そこには制度上の課題があるのだ。  それでも発達障害を専門と謳っている病院には今、予約が殺到している。待たされるうえ、診療時間が短くなる可能性が高い。  ちなみに、発達障害の当事者たちはその生きづらさゆえに、うつ病などの二次障害を併発するケースが多いと言われている。「障害」と「疾病」は異なる。疾病は病院で解決する場合があるため、もし抑うつなどの症状が強く出ている場合は、発達障害について熟慮するより前に、まず近場の精神科や心療内科にかかることを勧めたい。後述するが、後からセカンドオピニオンなどを活用して発達障害の診断を受けることも可能だ。
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当事者たちはどんな「病院選びテクニック」を持っている?
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発達障害グレーゾーン

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