雑学

人はなぜ偶然を軽視するのか? 人生のヒントは偶然にある

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第95回

ヒント 人間の能力には限界があります。自分一人ですべてをこなすことはできません。実際、私たちは色々な場面で協力し合っています。しかし、考えることに関しては、一人でやろうとしがちです。

 ほかのことと同様に、考えることもまた誰かと協力した方が捗ります。そのために取り入れるべきなのが「偶然」です。悩みを解決してくれるのは、「たまたま見かけた出来事」や「たまたま人から聞いた話」といった偶然のヒントです。

 多くの発明や発見はこうした偶然をきっかけにしています。アルキメデスはお風呂に入っている時に、アルキメデスの原理を発見しました。スイスの発明家ジョルジュ・デ・メストラルは衣服に貼りついたオナモミの実から、面ファスナー(マジックテープ)を発明しました。

 誰にでも、知らないことや経験していないことは山ほどあります。それ故にすべてを必然として考えるのは不可能です。「こうすれば上手くいくはず」と考えを突き詰めていって、八方塞がりになったことは誰にでもあると思います。そんな時、答えは偶然という形で見つかります。

 しかし、私たちはつい偶然を軽視しがちです。せっかくヒントをつかんでも、「ただの偶然」で片付けてしまいます。それだと自分一人で考える「必然」という限界から抜け出せません。

 心理療法家の河合隼雄は通勤途中に起きた出来事を、その日の臨床のヒントにしたといいます。心の世界は複雑で、何が閃きの引き金になるかわかりません。しかし、それはあらゆるものがヒントになりうるということでもあります。

 発明や発見のように物事について考える時は、物事がヒントになります。同じように人間について考える時は、人間がヒントになります。つまり、自分のことで悩んだ時は、他人がヒントになるということです。

 ですから偶然といっても、それはデタラメではありません。たとえばお金持ちになりたい時に、宝くじに期待しても仕方ありません。そうではなく、お金持ちに注目しましょう。するとその人物が思わぬヒントになってくれます。

 このように偶然に目を向けられるようになると、人生の進み方がまったく変わってきます。偶然がヒントになるのは発明や発見だけではありません。仕事や家族といった人間的な問題には、他人という偶然がヒントになります。

 悩んだ時は、ぜひあちこちへ出かけて、色々な人に会ってみてください。彼らが、あなたの悩みを解決するヒントになってくれるでしょう。

佐々木

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る





おすすめ記事