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「チーズはどこへ消えた?」の続編が発売。人は読書で変わることができるのか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第92回

読書 全世界で2800万部、日本でも400万部を売り上げた『チーズはどこへ消えた?』の続編、『迷路の外には何がある?』が発売されました。『チーズはどこへ消えた?』を以前レビューしたことがあるので、今回もレビューしたいと思います。

 自己啓発書には大きく分けて三種類あります。一つは著者の成功体験を一般化したもの、一つは大学や研究所の研究結果をまとめた科学的なもの、そしてもう一つがそういった内容をわかりやすく物語にしたものです。このうち、『迷路の外には何がある?』は物語タイプの自己啓発書です。

 前作『チーズはどこへ消えた?』のテーマは変化でした。迷路で暮らす小人のホーとヘムは、ある日、たくさんのチーズが出現する「チーズ・ステーションC」を見つけ、そこで暮らすようになります。

 彼らは毎日どこからともなく現れるチーズを食べて、自分たちの成功に酔いしれます。ところがしばらくすると、そのチーズが現れなくなってしまいます。

 ホーははじめこそ、そのことを嘆き、憤ります。しかし、やがて「環境が変化したら、自分も変わらなくてはいけない」ということに気づき、新たなチーズ・ステーションを見つけるために再び迷路を探索し、発見に至ります。

 続編である『迷路の外には何がある?』のテーマは信念です。主人公はホーの友人、ヘムです。ホーがチーズ・ステーションCを離れた後も、ヘムはその場に留まり続けていました。

「自分は間違っていない。そのうち何もかも元どおりになる」と自分に言い聞かせているうちに、状況はどんどん悪化していきます。意を決してチーズを探しにいくこともありますが、なかなか見つけられません。

 気力も体力も尽きかけていた時、ヘムはホープという見知らぬ小人と出会います。ホープはヘムにリンゴを与え、「思い込みを捨ててやってみればいい」とアドバイスします。

 ヘムは最初、ホープがくれたリンゴすら「食べたことがない」と拒みます。しかし、あまりの空腹のため、結局はそのリンゴを口にします。その体験をきっかけにヘムは自分の考え方を改める必要性を知り、変わり始めます。はたしてヘムとホープは新天地に辿り着けるのか、というのがストーリーです。

「変化が大切なのはわかったけれど、実際はなかなか変われない。人間はどうすれば変われるのか、また変わることを阻んでいるのは何か?」

「迷路の外には何がある?」はこの問いに、「信念」という答えを提示しています。私たちは自分の経験から「これが正しいやり方だ」という信念を抱くようになります。しかし、その信念は自分が正しいと思っているだけで、本当に正しいとは限りません。

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自己啓発について考えるなら、信念は切っても切り離せません

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迷路の外には何がある?――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語

スペンサー・ジョンソン著。日本で400万部、全世界で累計2800万部突破の大ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』の続編。閉塞した状況を打破し、人生と仕事の変化に適応する道を示す





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