メルシャンの1万円ウイスキーが、響21年みたいにプレミアムウイスキーに化けた話
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
腕時計投資家の斉藤由貴生です。最近、私は1つの投資に成功し、20万円以上という利益を手にしました。しかし、それは腕時計ではなく、ウイスキー投資。十数年前に買ったウイスキーがずいぶんな高値で売れたのです。
ウイスキーは、栓を開けたら価値がなくなってしまうため、腕時計のように「使って⇒楽しんで⇒売却する」ということができません。そのため、私はウイスキー投資には積極的ではないのですが、面白いウイスキーを見つけたら、迷わず買っていた時期があったのです。
ウイスキーは、腕時計ほどの値動きをしないものの、値下がりしにくいアイテムだといえます。十数年前の段階でも、同様の状況となっていたため、気になるウイスキーを見かけた場合は躊躇せず買うことができたのです。
通常、モノは買った値段と同じ額で売るのは難しいため、価格を見て「高いか安いか」を判断します。そして、そのような観点で、高級ウイスキーを見た場合、「たった700mlしか入っていないのに1万円もするのか」と思ってしまうことでしょう。
確かにそれは正解で、栓を開けたら「700mlで1万円」に変化します。けれども、ウイスキーは一度栓を開けても、劣化せず何日間も飲むことができます。そのため、同じ「700mlで1万円」でも、栓を開けたらすぐに劣化するワインとは異なる性質だといえるのです。
私の場合、「700mlで1万円」だとしても、毎日ちょびちょび飲めば、1ヶ月のビール代より安いぐらいで抑えることが可能であるのです。ですから、私にとって高いウイスキーは、飲まなくても、飲んでもそれほど「損」という感覚がなかったのです。
もちろん、栓を開ける際は、「これで1万円が飛んでしまう」と感じます。そのため、十数年前の私は、常用の安いウイスキーと、ここぞというときのウイスキーを分けて飲んでいました。そして、それら高いウイスキーは、いつか栓を開けたくなったときに飲めばいいわけで、その日が来るまでに、高くなったら売れば良いという感覚でとっておいたのです。
飲まずに我慢したメルシャンのウイスキーがいつの間にか……
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
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