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鼻にガンができて「笑いを取るのはどうだろう?」と考えた漫画家

闘病

※写真はイメージです

先進医療に300万!?

 そして、「重粒子線治療」を提案されるのです。 「重粒子線治療」がどんなものなのかも、ギャグタッチで中川さんは説明していますが、これが300万円かかるというのです。 「そんな金はない……」  落ち込む中川さんに、お医者さんは「保険に『先進医療特約』が付いていれば、保険で出るんだけどね」と言います。  さっそく家に帰って、入っている保険を調べると、「先進医療特約」が付いてました。 「助かった……」と中川さんはつぶやきます。  そうか。そうなのかと、この描写にもググッときてしまいました。おいら、20年ほど入っていた医療保険をちょっと前に解約したばっかりです。20年間、保険料を払い続けて、一度も治療費を申請してないので、なんだかなあと解約したのです。  早まったか。間違ったかと、今、悩んでいます。  で、中川さんは、重粒子線治療を受けるべく、兵庫の病院に入院するのです。  ガンであることも、入院したことも、中川さんは担当編集者に言いませんでした。病院で原稿を描いて、送りました。はい。僕も、まったく知りませんでした。  入院して何があったのか、どんなふうだったのかは、ぜひ、『重粒子の旅』を読んでもらうとして、やはり、ガンは大変です。  中川さんは、5年たち、今のところはガンの再発・転移はありません。  それでも、再発・転移は怖いと中川さんは正直に書きます。 「今や、二人に一人がガンになる時代だが―。『ガン』という病気が未だに『イコール死』というイメージがあって……。病名にまとわりつくイメージを、もっと細分化できないかと思う」と中川さんは言います。 「例えば初期のガンは『小ガン』」(芦屋小雁さんのイラストが描かれてます。関西人限定のギャグですかね)「立派に成長したガンは『ガンの助』とするとか」(芦屋雁之助さんが『ガンの助でおま!』と言うイラストです。これも関西人限定のギャグですかね) 「進行状況や部位によってガンの名称を変えれば、イメージも少し変わってゆくのではないだろうか」  他人事とは思えず、読みました。お勧めです。
ドン・キホーテ 笑う! (ドン・キホーテのピアス19)

『週刊SPA!』(扶桑社)好評連載コラムの待望の単行本化 第19弾!2018年1月2・9日合併号〜2020年5月26日号まで、全96本。
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この世界はあなたが思うよりはるかに広い

本連載をまとめた「ドン・キホーテのピアス」第17巻。鴻上による、この国のゆるやかな、でも確実な変化の記録



重粒子の旅 ―鼻にガンができた!―

泣き笑いの5年間。秘めてきたガン闘病記

『クマのプー太郎』でもおなじみ、ギャグ漫画家・中川いさみ――実はガンでした。

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