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鼻にガンができて「笑いを取るのはどうだろう?」と考えた漫画家

― 連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―

知らなかった中川さんのガンのこと

 いやあ、驚きました。ずっとSPA!誌面ではイラストを描いてくれている中川いさみさんが、いつのまにかガンになって、それをマンガにして出版しました!
闘病

※写真はイメージです

重粒子の旅 鼻にガンができた!』(小学館)です。  本の帯には、「泣き笑いの5年間の闘病エッセイ」とあります。 「4年前のある日、鼻にできものができた。痛くもかゆくもないので、しばらく放っておいたのだが……。なかなか治らないので医者に行った」ところ、「大きな病院に行った方がいい」と言われ、生体検査をした結果、「悪性腫瘍です。つまりガンです」と言われてしまうところからマンガは始まります。  中川さんはびっくりしてショックを受けて考えます。 「ほっといたら巨大化するか。脳や肺に転移するかして……死ぬ!!」  次のコマでは、「その時51歳。妻一人子供二人、犬二匹。まだ死ぬわけにはいかない」  リアルです。じつにリアルです。  で、このあと、このガンは、放射線も薬も効かないから、鼻全体を手術で切り取るのが一番いいとお医者さんに言われます。 「鼻を丸ごと!?」と驚く中川さんに、「鼻だけじゃなくてガンの周辺部分も切り取る」と、手術を受けた患者さんの写真をお医者さんは見せます。  なんか、読んでてドキドキしてしまいます。  が、中川さんはさすがのギャグマンガ家、鼻がなくなったらどうしよう、義手や義眼のようにかっこいい義鼻をつければ今より二枚目になるかもしれないとか、毎日面白い鼻を付け替えて、笑いを取るのはどうだろうか?とか描くのです。  でも、次のコマでは「声も変わるだろうし、人に会いたくなくなり、どっかの山奥で一人生きていくことになるのだろうか?」とつぶやき、「まいった……」と続くのです。  奥さんが、セカンドオピニオンを受けることを提案し、別のお医者さんに会います。
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先進医療に300万!?
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この世界はあなたが思うよりはるかに広い

本連載をまとめた「ドン・キホーテのピアス」第17巻。鴻上による、この国のゆるやかな、でも確実な変化の記録



重粒子の旅 ―鼻にガンができた!―

泣き笑いの5年間。秘めてきたガン闘病記

『クマのプー太郎』でもおなじみ、ギャグ漫画家・中川いさみ――実はガンでした。





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