更新日:2023年03月21日 16:19
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ビットコイン“再”爆騰の舞台裏 仕掛けたのは誰?

仕掛けた大口とは誰なのか?

 ならば、仕掛けた大口とは誰なのか? 興味深い証言をするのは海外の仮想通貨取引所の関係者だ。 「急騰直前の3月末にバイナンスとコインベース、クラーケンという海外の大手仮想通貨取引所に同一人物と思われる筋から計1億ドルの入金があったという情報が業界内で話題になりました。ファンドの資金だろうといわれています。  一方で、3月頃から南米系の投資家による大口のビットコイン買いも急激に増えている。この大半は市場を介さないOTC(相対)取引のため、あまり知られていませんが、ブラジルやベネズエラなど自国通貨の値下がりが顕著な国の顧客からの注文が多いんです。現在も続いている米中貿易戦争の影響で新興国の通貨は軒並み急落していますが、中でもベネズエラのインフレ率は200万%を超えている……。  だから、資産防衛のためのビットコイン買いや、貿易の決済手段としてのビットコイン需要が高まっていると見られています」 Bitcoin Coin 加えて活発に動いているのがアジア勢だとか。ヨーロピアン氏が話す。 「今年に入って何度も香港視察に行っているのですが、決まって話題になるのが米中の対立。このまま元安が続けば、資本の国外流出を防ぐべく中国は再び資本規制を強める可能性がある。過去に中国が輸入制限をかけて金(ゴールド)による資本逃避を防いだことを考えると、もはや資金を海外に逃がす手段はビットコイン以外にないと言う資本家が増えているようです。実際、OTC市場には香港とシンガポールからのビットコイン買いが急増しているという話でした」  米中対立の深刻化に伴って、ビットコイン買いが進んでいたようなのだ。そのため、さらなる強気相場を予想する向きも。 「非常に強い節目であった70万円を一気に突破したことを考えると、当面70万円が下値メドとなり、この水準まで下げてくれば大口の買いが入ってくるでしょう。再び個人のお金が入ってくるようになったことや、7月以降にBakktの始動が予定されていることを考えれば、今後は着実に買い需要が増していく。年末までに100万円を抜いてくる可能性も十分あるでしょう」(同)  来年の大統領選に向けて、トランプ氏が「強いアメリカ」路線を取り続けるようなら、中国や新興国からさらなる大口ビットコイン買いが入る可能性もあり。トランプさんを信じて買ってみるのが吉か!? ▼米投資会社の「ビットコイン投資信託」は8倍の出来高に……米中貿易戦争の激化に伴い、下落基調にある米国株。そのなかでマーケット関係者の注目を集めているのが急騰中の「ビットコイン投資信託」。米投資会社のGrayscaleの商品で、5月2日には「Drop Gold(金をやめよう)」と謳ったCMまで開始。米国株のリスクヘッジのため同商品に資金が流れている可能性があると指摘する声も 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/Alessandro Bianchi picture alliance/アフロ ※5/21発売の週刊SPA!「今週の顔」より
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