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第537回 6月25日「話芸文化と物語」

・31日間31作品執筆チャレンジを完走した。そして今日、書籍版の入稿が完了。『令和元年のゲーム・キッズ』というタイトルで、7月12日に出る。 ・小説を音声入力で書き ~その様子をYouTubeとニコニコでライブ配信 ~それを見てくれてた出版社からツイッター経由で声をかけてもらい ~書籍の刊行決定 ……という流れで仕上がった本である。お金がなくても、無名でも、学歴も友達も何もなくても。この方法なら誰にでもできるはずだ。才能があるのにコンテストにひっかからない人はゴマンといると思うけど、そういう人はこういうやり方で「無理やり」作家になってしまえばいいのである。 ・さて、先日その発刊元・星海社の太田克史さんと話したのだけど(→「渡辺浩弐のノベライブ・反省会 そして……」)その中で面白い事実を伺った。「講談社」(星海社の親会社)って、社名の通り「講談」を本にすることからスタートアップした会社なんだそうだ。 ・かつて物語の主戦場は、講談つまりライブハウスで語られる形式のパフォーマンスにあった。そこで生み出される物語が、歌舞伎や浄瑠璃の下地にもなっていたのだ。物語が出版物に載って(“小説”として)ポピュラーになっていく段階で、ここに目をつけた人たちがいた。そしてその仕事は以降、若い才能を発掘しオリジナル作品を書かせる方向に転換していき、それが大衆小説のルーツとなったわけだ。 ・ユーチューバー文化については、100年ぶりの講談ブームとして、あるいは「話芸」への寄り戻しとみても面白い。この源泉が出版や、あるいは映像やゲームにつながっていく流れも見えてくるのである。 作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。


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