第579回 12月10日「中野になぜ”ブロードウェイ”が?」
―[渡辺浩弐の日々是コージ中]―
・NHK BSプレミアムの『新日本風土記★東京のアメリカ』という番組を少しだけお手伝いしました。インタビューにも答えています。
※再放送やオンデマンド配信もあるのでよろしければどうぞ。
※クリック→『新日本風土記★東京のアメリカ』
・ドキュメンタリーとしては難しいテーマだと思います。アメリカに対する見方って、戦前と戦後の世代で全く違うのは当然ですが、戦後生まれでも年齢が少し違うだけでガラリと変わります。例えばベトナム戦争やウォーターゲート事件のときに何歳だったか、60年安保、70年安保のときに何歳だったか。そういうことでも変わってくるわけです。
・この番組ではスタッフの方々が、時代ごとに変化し続けた日本とアメリカの関係を、各インタビュイーの年齢や状況と照らし合わせる作業を丁寧に行った上で取材されていたようです。そういうことってすごく大切ですよね。
・中野ブロードウェイを取り上げた部分では、「(NYと縁もゆかりもない)中野になぜ”ブロードウェイ”があるの?」という、とても当然な疑問から、掘り下げられています。中野ブロードウェイについては僕も長年調べたり書いたりしてきましたが、これは盲点でした。
・中野ブロードウェイは高度成長期の1966年に「アジア1のデラックスビル」として華々しくオープンしました。ところがその後とても数奇な運命をたどった結果、今は世界的に有名な「オタクの聖地」となっているわけです。番組では、この経緯に戦後の日本とアメリカの関係がとても強く関係しているという考察がなされています。
・アメリカと中野ブロードウェイについて、個人的な思いはnoteに書きます。
※クリック→エッセイ「アメリカと中野ブロードウェイ」
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。
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