更新日:2019年04月30日 05:35
エンタメ

第534回 4月30日「小説家はユーチューバーになれるか」

・僕は小説家なのですが、令和時代が始まるタイミングで、ちょっと新しい書き方を試してみることにしました。 ・5月1日から一日一本、毎日休まずに小説を書きます。アイデア出しから脱稿までその工程の一部始終を、YouTubeとニコニコでライブ配信します。 ・皆さんは日々、映画館で、テレビで、書籍で、スマホで、様々な加工がなされた「物語」を楽しんでいますよね。ところで、それが最初に生まれる瞬間のことを考えたことがありますか。 ・とても大切なことだと思うのですが、コンテンツに関わる業界の中にも、これを考えている人はほとんどいないってことに最近、気づきました。映像業界で、出版業界で、ゲーム業界で、撮影したり、印刷したり、デジタル化したり、いろいろな仕事に心血を注がれている方々でも、それらの原材料となるオリジナルの「物語」については、どこかで自然にわき出しているもの、ただで無限に手に入るもの、と思っておられることが多いようです。 (メーカーやプロデューサーの立場ならそれはいいと思うんですが、最近は現場のクリエーターさんまでが、自分で何か生みだそうとしないでやたらパクろうとしてませんか?) ・僕が小説にこだわっているのは、物語というものが生まれるとき自分の脳内で起きていることに、とても興味があるからです。たとえば小説の書き方を人工知能に教えることは、今のところ難しいです。そもそも、それを人に教えるシステムすら、確立していません。 (大学や市民講座に小説作法のコースはたくさんありますけど、テーマとかプロットとか起承転結とか序破急とかそういうことをいくら教えてもらっても役に立たないでしょう? ) ・書くという作業段階においては、小説はスタテックなものではないということがとても重要です。その段階において物語はまだどろどろと変形しながら流れているものです。ネットを使えば、その状況を動的に伝えることができるかもしれないと考えたわけです。 ・まず、自分の頭の中でやってることを可視化することから試みます。放送の案内は随時ツイッターで告知します。
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。
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