「キャバの子が既婚者と付き合うのは、単に独身客が面倒臭いからという理由もあると思いますよ。以前、独身客と付き合っていたんですが、『夜働いて欲しくない』とか『早く夜上がって結婚したい』とか束縛がすごくて。こっちはまだ夜上がる気なんてなかったので、毎日喧嘩ばかりですごいストレスが溜まりましたね。 　その点、既婚者はそういう束縛が一切無いのでラクです。こっちが浮気相手という立場上ワガママも聞いてくれるので、店にもよく来てくれるしお金もたくさん使ってくれる。それに家庭があるから、店が休みの日曜に誘われることもないし。日曜のキャバ嬢は、基本家でずっと寝ていますからね（笑）」 　他にも既婚者男性の魅力として「余裕がある」「身なりに気を遣っている」「子供がいるから面倒見がいい」などの理由をあげるミカさん。 「でも、もし不倫にハマっても今回の報道のように奪略までは考えたことは無いです。略奪する子って『彼の運命の相手は自分なんだ』と思い込んでしまうんじゃないですかね？　うちの店にも既婚者と付き合って本気になってしまった子がいたんですが、不倫相手に対しての束縛がすごかったみたい。最終的には『離婚してくれないと奥さんにバラす！』と詰め寄って強引に離婚させたみたいですが、その後相手に浮気されて捨てられたそうです。人の男を略奪したら、結局、自分も同じ目に逢うんでしょうね」 　不倫に対しては意外と嫌悪感を示さないキャバ嬢達だが、「略奪はさすがにドン引き」と声をそろえる。キャバ嬢だろうが芸能人だろうが、既婚者を好きになることも時にはある。だが、火遊び程度にとどめておかないと取り返しのつかないことになるのかもしれない。＜取材・文/カワノアユミ＞東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在は夜の街を取材する傍ら、キャバ嬢たちの恋愛模様を調査する。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』（イーストプレス）が発売中。X（旧Twitter）：＠ayumikawano